｢子どもへの魔法の言葉｣は扱い方に注意が必要 ｢ありがとう｣｢大好き｣｢信じているよ｣も逆効果に

親御さんたちの中には、日々忙しさやストレスの中で、つい感情的になってしまったり、無意識に言葉を発してしまったりする方もいらっしゃると思います。それは仕方のないことです。誰もが完璧な親でいることはできません。しかし、だからこそ、少しだけ意識を変えてみることが大切です。そうでなければ、いつまでも同じ状態が続きかねません。

たとえば、子どもと話すときに意識的に笑顔を作る、トーンを柔らかくする、目を見て伝える。このような小さな工夫をするだけで、言葉の力は驚くほど変わります。子どもは親の表情や声のトーンから、言葉の背景にある感情を敏感に感じ取るからです。

そのため、どのような言葉を選ぶかだけでなく、その言葉を「どのように届けるか」に心を配ることが、子どもの心を育てるうえで非常に重要となります。

言葉で築く親子の絆

言葉の力は、私たちの想像をはるかに超える大きな影響力を持っています。それは、ポジティブにもネガティブにも働きます。そしてその力を最大限に引き出すためには、「何を言うか」だけでなく、「どのように言うか」を意識してみてください。

今日から少しだけ、笑顔で、温かい気持ちを込めて言葉を伝えることで、子どもの心に安心感と自信を育むことができます。そしてその言葉は、子どもだけでなく、私たち親自身の心も温める力を持っています。この成果は比較的早く出てくるので、ぜひ試してみてください。

親子のコミュニケーションは、家庭の基盤を作ります。少し愛情を込めた言葉で、毎日の中にたくさんの小さな幸せを作り出していきましょう。それが、子どもの未来を明るく照らし、親子の絆をより深める第一歩になるはずです。

石田 勝紀：教育デザインラボ代表理事、教育専門家