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5%成長は本当?中国経済「失速」の知られざる実態 貿易黒字は過去最大でも「産業空洞化」の懸念

東洋経済オンライン / 2025年1月30日 7時50分

――社会不安に陥らないために、中国政府は何をすべきでしょうか。

強すぎる供給サイドをきちんと吸収できるような需要の拡大、需要を強くするような政策をもっと強く打ち出すべきです。中国政府もその点は認識していて、2024年の秋ぐらいから若干方針が変わってきています。9月にまとまったパッケージの金融政策を打ち出しました。

また時期や規模は具体的に明示されていませんが、中国財政部(日本の財務省に相当)の部長が「国債や地方の特別債の枠を増やして、さまざまな財政政策を行う」とさかんに発言するようになっています。

ただし、財政出動したからといって、今までのように供給サイドを強くしたり、地方に無駄なインフラを造ったりするだけでは根本的な解決にはなりません。

例えば、政府がマンションの空き部屋を買い取って、低所得者向けのマンションとして提供していく。財源がかなり必要になってきますが、そういったところにどれぐらい予算をつけられるかが焦点になってくると思います。

それに加えて、社会保障の枠組みを根本的につくり直すことも必要です。実は、胡錦濤政権時代に国民皆保険のような制度が整備されて、習近平政権でも若干改革が行われました。しかし、大部分の人々が、非常に不十分な社会保障や年金しか受け取れない状況は変わっていないので、こういったところにどう対応していくのか、少なくとも取り組む姿勢は見せるべきではないでしょうか。

動画内ではこのほかにも、不動産の値上がりを支えた「合理的バブル」の仕組みなどについて聞いています。

西村 豪太:東洋経済 コラムニスト

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