「しれっと訂正した文春」フジとの"ズルい共通点" 批判の矛先が次は週刊文春に向かっているが…
東洋経済オンライン / 2025年1月30日 15時45分
1月28日に発表された、中居正広氏とフジテレビの騒動における『週刊文春』の「訂正」が新たな波紋を広げています。
【画像】『週刊文春』編集長が発表した「ちょっとズルい?」声明
主な訂正内容は、同誌の本件報道の第1弾に書かれた「X子さんはフジ編成幹部A氏に誘われた」という部分を、第2弾以降は「X子さんは中居氏に誘われた」「A氏がセッティングしている会の"延長"と認識していた」と上書きしたこと。
フジテレビの幹部社員が女性を誘い、中居氏と2人きりにさせたことによる「性接待・上納」という印象が、75社以上がCMを差し替える危機的状況の一因となっただけに、この週刊文春の対応が問題視されるのは当然でしょう。
さらに反響の多くが不満や怒りで占められている理由はこれだけではありません。
「訂正」が疑問視された“8つの背景”
「今回の訂正は自らしたのではなく橋下徹さんの指摘がきっかけだったこと」
「当初、謝罪ではなく橋下さんのコメント記事としてアップしたこと」
「それが同誌のファンが多い有料の週刊文春電子版で配信されたこと」
「橋下さんの記事は一連の報道をまとめたシリーズから外されていること」
「フジテレビの再会見があり注目度が低い日に配信されたこと」
「Xのトレンド1位になるなど世間の批判を受けてようやく謝罪コメントを発表したこと」
「それはフジテレビが約10時間半にわたる過酷な再会見を行ったあとだったこと」
「誤りを知ってから訂正の発表まで3週間以上を要し、その間も続報を重ねていたこと」
他誌よりもアグレッシブに取材している週刊文春なら、訂正しなければいけない事態が発生することもあるかもしれません。しかし、その際に大切なのは誤りをできるだけ早く認めて潔く謝罪すること。その点で今回の週刊文春はこれだけ疑問視される項目が多く、だからこそ「卑怯」「姑息」などの強烈な批判につながってしまいました。
ただ、「対応に問題があって強烈な批判を受けた」という点ではフジテレビも同じ。初動で軽いコメントにとどめたほか、最初の会見では参加者を限定したうえで真摯に答えようとしないなどの誠実さに欠ける対応で不信感を抱かせてしまいました。
両社の対応を見ていて気づかされたのは、どちらも「昭和・平成の時代から続くメディア業界の悪しき感覚や対応を引きずっていて、令和という時代や人々に合っていない」という点で一致していること。
ここでは長年、出版、テレビの両業界に属し、事情をよく知る立場から、現状における両社の問題点であり共通点をあげていきます。
世間と乖離した両社の感覚と対応
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