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「サーチGPT」使える人と使えない人に出る圧倒差 情報収集の仕方はこれから劇的に変わっていく

東洋経済オンライン / 2025年2月2日 10時0分

(写真:metamorworks/PIXTA)

サーチGPTを用いれば、検索エンジンより遥かに効率的に、必要な情報を得られる。ただし、聞き方を工夫する必要がある。また、問答を通じて、「本当に知りたいことは何か?」を見いだすことができる。昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第139回。

サーチGPTを使いこなせるか?

前回、「サーチGPT」という新しい手段が利用可能になっていると述べた。これを使いこなせるか否かは、さまざまな知的活動において、 大きな差異をもたらす。

企業の実務等でChatGPTを使う場合には、反復・繰り返し的な業務が多いだろうが、ここではそうした使い方ではなく、論文や報告書の作成といった仕事での使い方を考える。これは、データの調査を伴う場合が多い仕事だ。

企業の業務であっても、調査・企画関係の仕事であれば、このようなタイプの情報収集が必要となるだろう。

以上の場合に用い得る1つの方法は、知りたい部分を**で表記し、「ここに正しいデータを入れてほしい」とサーチGPTに要請することだ。

具体的な例を挙げよう。2008年のリーマンショック時に、ダウ平均株価と日経株価のどちらの下落率が大きかったかを知りたいとする。

株価のデータは、最近のものであれば、Google検索によって簡単に手に入る。しかし、ここで問題としているのは20年近く前の株価であり、それを探し出すのは、それほど簡単ではない。

ウェブにある株価のデータは、株式投資の参考用の場合が多い。したがって、示されているのは、最近のデータだ。20年前のデータはいま投資するには直接役立たないデータであるから、あまり提供されていない。

しかし、論文を書いている場合には、過去のデータが必要になることが多い。この点で、実務的な仕事で要求されるデータと論文作成で要求されるデータは食い違っていることが多い。前者のデータは容易に得られるが、後者のデータを得るのはそれほど簡単ではないのだ。

新しい事態に対応する新しい方法

こうした場合、「リーマンショック後に、ダウ平均株価と日経株価のどちらの下落率が大きかったか?」を検索語として検索しても、当時の株価に関するサイトは示されるだろうが、「日米株価の比較」を適格に述べているサイトが示されるとは限らない。

データの提供者は、一般の人々がどのようなデータを求めるかを想定して提供するデータの内容を決める。ところが、データの需要者が知りたいデータはそれとはずれていることがある。このような乖離は、情報の提供について一般的に存在するものだ。

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