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「サーチGPT」使える人と使えない人に出る圧倒差 情報収集の仕方はこれから劇的に変わっていく

東洋経済オンライン / 2025年2月2日 10時0分

ただし、実際には、サイトをいちいち調べるのは面倒だ。

そこで、別の方法で同じことを聞いて矛盾しない答えが得られたら、その答えは一応信頼できると評価してもよいだろう。公開する論文などでない場合には、こうした簡便法をとることも考えられる。

重要なのは、自分は何を知りたいのかを、明確にすることである。そして適切な質問をすることが必要なのである。

ただし、適切な質問を最初からすぐに出せるとは限らない。

ここで示した例では、日米間の違いを重要な問題だと考えて質問をしたのだが、本当に重要なのは、日米間の違いではなく、産業間の違い、例えば製造業と非製造業の違いなのかもしれない。

本当に重要なのは、正しい質問を見いだすことなのだ。正しい質問を見出すのは決して簡単なことではないが、以上に述べたような過程を通じてそれを発見することが可能な場合がある。

「正しい質問」を明確にしていく

腕を組んで考え込んでも、正しい質問が見いだせるとは限らない。それよりは、上記のやりとりを通じて、サーチGPTの答えに触発され、正しい質問が明確になる場合のほうが多い。こうした過程を通じて、自分が本当は何を知りたいのかが明らかになっていく場合が多いのだ。

そのために、上記のような質問過程を何度も繰り返す必要がある。人間相手では、そうした繰り返しはなかなか難しい。よほど我慢強い人でなければ、繰り返し質問を受けてくれないだろう。しかし、サーチGPTには、何度でも似たような質問を繰り返すことができる。その意味で人間より優れた相手だと言うことができる。

以上で述べたことは、プロンプト・エンジニアリングの一種であるということもできる。

人間の物知りに聞くのとは、あるいは検索エンジンを使う場合に比べると、違う聞き方が必要になるというのが要点だ。

我々は従来の手段にあまりに長い間慣れてしまったので、いま新しい手段が登場しており、それらよりも、より効率的な情報収集が可能になっていることに、なかなか気づかない。

一般の人間がAIと直接に会話できるようになってから、まだ数年しか経っていない。この数年間にも事態は大きく転換した。使い方を工夫することによって、その可能性を最大限に活用できる人が、未来を拓くだろう。

野口 悠紀雄:一橋大学名誉教授

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