「東京サラダボウル」が描く日本の外国人犯罪の闇 弱者が搾取されて利用されるリアルに切り込む
東洋経済オンライン / 2025年2月3日 12時0分
多様性の街であり、人種のるつぼとも呼ばれる東京・新宿の歌舞伎町を舞台にする異色バディの刑事ドラマ『東京サラダボウル』(NHK)。日本社会に生きるマイノリティである外国人たちの生活や食文化を映しながら、社会的弱者が犯罪に巻き込まれる状況に切り込む硬派な社会派ドラマだ。
奈緒演じる主人公の明るくポップなキャラクターがとっつきやすい印象を与える本作だが、描かれる内容は、子どもの誘拐や人身売買といったシリアスな外国人犯罪の闇。そのギャップが強いインパクトを残すとともに、外国人との共生が当たり前になっていく日本社会に生きるわれわれへメッセージを投げかける。
異端刑事と訳あり通訳人の異色バディ
本作は、人気漫画『東京サラダボウルー国際捜査事件簿ー』(黒丸著)を原作にする実写化ドラマ。新宿で外国人の犯罪を取り締まる東新宿署・国際捜査係の警察官・鴻田麻里(奈緒)と、警視庁・通訳センターの中国語通訳人・有木野了(松田龍平)が、犯罪や事件を通して、外国人居住者たちの生活や人生に向き合う社会派の刑事ドラマだ。
キャベツのような緑色のヘアースタイルが特徴的な鴻田は、日本人にも外国人にも隔たりなく、助けを求める人に手を差し伸べる。
困っている人に手厚く寄り添うものの、我が道を行くがゆえに協調性がなく、部署の中では浮いた存在になっている異端の刑事だ。
一方で、そんな人間性から、歌舞伎町の外国人社会から厚い信頼を得ている。緑色の髪も、雑多な街で埋没しないためにあえて目立たせる自己プロデュース。世界各国の料理を食べながら、国も人種も関係なく、さまざまな人と明るくコミュニケーションを図り、ポジティブなエネルギー全開で周囲を動かしていく。
鴻田のバディとなる有木野は、真面目で何事にも温度感の低いキャラクター。仕事に自身の感情を一切入れず、参考人や被疑者と警察官を正確な逐語訳でつなぐことに徹する。
そんな有木野は元刑事。過去のある出来事によって警察官を辞め、他人と距離を置いて生きてきたという暗く重い過去を背負う彼は、鴻田との出会いを機に過去に向き合うようになっていく。
2人は、一般的な刑事ドラマで一緒に事件捜査に取り掛かるバディとは違う。鴻田は、手柄を立てることに必死になる同僚刑事たちが見向きもしない小さな事件や、生活者の困りごとに真摯に向き合う。鴻田の姿勢や思いに次第に共感するようになる有木野は、彼女を気にかけ、職務を超えてサポートするようになる。
マイノリティとして生きる外国人の葛藤
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