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"都内第2の選挙区"を要求した「公明党」の腹の内 委員会決議からも退場、背後に秘めた思惑は?

東洋経済オンライン / 2025年2月3日 18時0分

公明党の斉藤鉄夫代表。今夏の選挙を前に、その動きが注目されている(写真:ZUMA Press/アフロ)

6月の東京都議選挙、7月の参議院選挙を前にして、公明党が興味深い動きに出ている。

昨年10月の衆議院選挙で同党は、北海道10区と愛知16区に加えて、党代表に就任したばかりの石井啓一氏が埼玉14区で敗北した。また大阪では、3区、5区、6区、16区で全敗。かつての「常勝関西」は見る影もなくなった。

比例区での得票数は596万4415票と、とうとう600万票を割り込んだ。32議席から24議席へ8議席を減らした公明党は、7議席から28議席へと躍進した国民民主党に抜かれ、第5党に転落した。

党勢の衰えに追い打ちをかけた「政治とカネ」の問題

もっとも同党の党勢の衰えは、このときに始まったものではない。支持母体である創価学会の会員の高齢化に加え、精神的よりどころであった池田大作名誉会長が2023年11月15日に死去したことは、選挙活動に多大な影響を与えた。

コロナ禍によって、活動の中心だった集会や訪問などを自粛せざるをえなくなったことの影響も無視できない。実際に2022年の参院選では、比例区での得票数は618万1431票と過去最低を記録し、目標の7議席を得ることはできず、6議席にとどまった。

さらに追い打ちをかけたのが、公明党が連立を組む自民党の「政治とカネ」の問題だ。

公明党は昨年の衆院選で、政治資金収支報告書に不実記載があったとして比例区との重複立候補が認められなかった自民党の“裏金候補”のうち、33人を推薦した。また、自民党から公認を得られなかった三ッ林裕巳氏と西村康稔氏についても、推薦を出した。

推薦に際しては「謝罪や説明」「公明党への貢献度」「地元の納得感」という3要件で判断され、とくに三ッ林氏については「選挙区のうちの票田を石井氏に譲った」といった事情が考慮された。にもかかわらず、支持者からは「裏金議員を許すのか」などの批判が相次ぎ、それが選挙結果に表れた格好だ。

昨年の衆院選では、自民党も67議席減と大きく議席を失った。選挙後に三反園訓氏らを入党させて議席数を増やしたものの、自公両党で過半数を制するに至っていない。

こうした自民党にしがみついて、はたして党の将来は開けるのか――。自らの衰退と自民党からの「もらい事故」という二重の危機にある公明党は現在、生き残りを懸けた状況にある。

「東京での自公の信頼関係は地に落ちた」

これを象徴する事例が、東京での「2つ目の小選挙区」問題だ。

2022年に施行された公職選挙法改正による「10増10減」により、公明党は愛知16区と埼玉14区を獲得。小選挙区が25から30に増えた東京都内では、現職の岡本三成氏を旧12区から移動させた29区以外に、28区を自民党に要求した。

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