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JR各社またぐ「直通列車」はどのくらい減ったのか 50年間の時刻表で見えた新幹線と在来線の違い

東洋経済オンライン / 2025年2月4日 6時30分

在来線の熱海駅はJR東日本とJR東海の境界駅である(写真:ニングル/PIXTA)

国鉄が分割・民営化されてから今年で39年目を迎える。筆者は東京近郊に住んでいるが、民営化後、ダイヤ改正のたび、長距離を走る特急列車や東海道本線の東京―熱海間以遠を走る列車など、各社間を直通する列車の運転本数が減っていると感じている。

【この記事の図表を見る】1975年からの数値の変動を一覧。まずは特急・急行列車から。そして新幹線、さらに普通・快速列車の「直通本数」は?

熱海をまたぐ列車は激減

実際、各社間を直通する定期列車の夜行は「サンライズ出雲・瀬戸」以外は廃止。東京―静岡間など、JR東日本、JR東海の境目となる駅(境界駅)である熱海をまたいで運転されていた東海道本線の普通列車も、現在は上野東京ライン方面と沼津を結ぶ列車が朝晩に7往復運転と数が減っている。

そこで、今から50年前、JR発足の10年以上前から現在までの毎年1月号の時刻表をチェックして、各社の境目となっている駅をまたいで走っている列車はどのくらいあるのかを調べてみた。

調べたのは1975、1980……2020、2025年と、1975年以降5年ごとの時刻表である。「新幹線」、「特急・急行」、「普通・快速」の3ジャンルに分け、平日に毎日運転されている列車を調査した。なお境目の駅で、特急→普通に変更する列車などはすべて上の格付けとなる種別としてカウントした。調査の際、本数は何度か確認しているが、手計算でカウントしたものなので「こんなふうに変化しているのか」程度の感じで読み流していただけたらありがたい。

まずは特急・急行列車から。1975年からの数値の変動はこちら。

現在運行されている2社以上にまたがる特急列車は、特急踊り子(東京―修善寺間)4本、寝台特急サンライズ出雲・瀬戸(東京―出雲市・高松間)2本、特急しらさぎ(名古屋―敦賀間)18本、特急しなの(名古屋―長野間)26本、特急ひだ(名古屋―富山間)8本、特急南紀(名古屋―紀伊勝浦間)6本、特急しおかぜ(岡山―伊予西条・松山間)30本、特急南風(岡山―高知間)24本、特急南風・うずしお(岡山―高知・徳島間)4本。国鉄時代の1975年は、本州と九州を直通する列車が1日に114本も運転され、東京から静岡方面の直通列車も現在の6倍の本数があったことを考えると寂しい数字だ。

だが、分割民営化直前の1985年1月号と直後の1990年1月号を比較すると、青函トンネルや瀬戸大橋の開業で直通運転の特急が増加。ほかの区間でも、富山方面から新潟方面へ向かう特急、名古屋方面から長野方面へ向かう特急の運転本数も増え、各社間の直通運転が活性化している。

新幹線の「境界またぎ」は増加

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