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東大生分析「英語と日本語」同じ言葉でも違う意味 英語と日本語では「魔女」も受け取る印象違う

東洋経済オンライン / 2025年2月5日 10時0分

(写真:K,Kara / PIXTA)

似ている言葉の意味の違いや、数字にだまされない方法など、日常生活にあふれる情報を、東大生はどんな視点で読み取っているのでしょうか。『東大視点 ものごとの本質を見抜くための31の疑問』を上梓した東大カルペ・ディエムの西岡壱誠さんが、英語と日本語の言葉のニュアンスの違いを解説します。

「魔女」はいい意味?悪い意味?

みなさんは、「東洋の魔女」という言葉をご存じでしょうか? これは、1964年の東京五輪で、日本女子バレーボールチームが金メダルを獲得したことで呼ばれた名称です。日本のチームは、欧米人と比べると体格的には小柄にもかかわらず、世界の強豪チームをくだして勝利した姿から、そう呼ばれました。

【写真】『東大視点 ものごとの本質を見抜くための31の疑問』(西岡壱誠)

ここまで聞くと、この「東洋の魔女」という言葉は、100%褒め言葉として使われていると考える人も多いでしょう。実際、このときのチームは非常に努力して、独自の技術を確立して勝利をもぎ取っていました。日本でも「東洋の魔女」は大人気でした。

一方で、英語のニュアンスと日本語のニュアンスとでは、大きな乖離があります。

英語で「東洋の魔女」は「Oriental Witches」となります。当時外国のニュースではこの言葉が使われていました。日本でも「東洋の魔女」と呼ばれていたわけですが、実はここには大きな隔たりがあります。

「Witch」は、英語圏ではいい意味として使われることはあまりないのです。

「悪魔と契約して悪さをする存在」とか、「訳のわからないことをする存在」というような意味で使われることが多く、この「Oriental Witches」も、100%の賞賛というよりも、「おかしなやつら」「畏怖の対象」「化け物じみた強さの集団」といったような意味も含まれていたのです。

一方で、日本では「魔女」という言葉に対しては、ものすごく悪いイメージではないですよね。

例えば、15〜17世紀のヨーロッパでは「魔女狩り」と呼ばれる宗教裁判が横行し、異教徒や害をなすとみなされたものは宗教裁判によって処刑されていました。ヨーロッパでは、魔女狩りは「Witch Hunt」と呼ばれています。

「魔女狩り」なので「女性限定」のようなイメージがありますが、そういうわけでもありません。実際には男性でも、この魔女狩りで処刑されています。

ここで処刑された人物は男性でも女性でも関係なく、「Witch」とされています。ここからもわかるとおり、英語圏では「Witch」は悪い存在として扱われやすいのです。逆に男性の魔法使いは「Wizard」と呼ばれますが、こちらは悪い意味ではなく、いい意味で使われます。

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