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中学受験に向いている子ほど将来が心配なワケ 親は「何をするか」より「何をしないか」に重点を

東洋経済オンライン / 2025年2月6日 12時0分

宮本 私の授業時間の9割は沈黙です。子どもたちは自分で自分の頭を整えてます。いっさい構わない。好きなようにしていいから。そうすると、ぜんぜんできない子たちもつられて考えてるじゃないですか。算数に興味がない子もいるんですよ。でもここに来るとつられてやり始めて夢中になる。誰かがぜんぶ解けたら終わり。

おおた 静寂の中に精神の自由みたいなものがありますよね。授業を見学させてもらったとき、宮本さん、「マル」か「ボツ」しか言ってませんでした。本当に徹底的に無駄を省いて引き算されてる。

宮本 そうね。あれ以上そぎ落としようがないね。でもみんな晴れやかな顔して帰っていくでしょ。その結果、その子に合ったところに行ければいいんです。

中学受験をする意味とは

おおた 晴れやかな顔のまま入試本番までいって、受かったところに進めばいいと。私もそう思います。せっかくなので、中学受験する意味みたいなことにも触れておきたいんですけれど。

宮本 たいして賢いわけじゃないのに権威主義的に子どもを従わせようとする先生から逃れるには、中学受験をしたほうがいい。

おおた 私立中学にそういう先生がぜんぜんいないってわけじゃないし、公立中学がそんな先生だらけではないけれど。

宮本 内申点に煩わされなくていい。

おおた たしかにいまの中学受験は過熱気味で、当然「ひどいよね」って話になるのだけど、じゃあ高校受験だったらいいのかよっていったら、そっちもたいがいな状況なわけで。

宮本 中学入試の問題は本当に面白いです。

井本 中学入試の本当に難しい問題って、パターンに当てはめても解けません。だけど高校受験も大学受験も、「傾向と対策」で本当にできちゃうんです。

子どもが楽しんでできることを

おおた 中学受験をすることにはそういう意味があるとしたときに、「何かしら準備しておいたほうがいいんだよね?」というのが相談者の気持ちだと思うんですが、では親としては子どもをどうやって中学受験と出会わせていけばいいんでしょうかね。

宮本 生きてるだけで勉強じゃないですか。小1から最難関校向けの中学受験塾に送り込んでそのレベルでずっといけば受かるかもしれないけど、負担が半端じゃない。

おおた 小1から最難関校向けの中学受験塾に通ってそのままスムーズにいって、万々歳の結果でしたってご家庭にまだ僕は一回も会ったことがないんです。

宮本 今年の卒業生が初めて小1クラスをつくった1期生でした。初日から6年間最後までいたのは2人。一人はさっきのめちゃめちゃできる子で、もう一人は完全に野人。勉強系の習い事はうちの教室だけ。あとは絵画・工作などいろいろやってて、中学受験するかどうかもわかりませんでした。小6の夏休みにいきなりSAPIX入ったら、「なんでそんなに算数できるの?」って。雙葉と筑波大附属に受かって。これもいい受験でしたね。夕飯は毎日家で食べられたって言ってました。

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