ビジネスで必要条件と十分条件を使いこなす方法 論理的に見えて実はそうではない意思決定をしないために
東洋経済オンライン / 2025年2月6日 17時0分
ビジネスでは論理的に意思決定することが重要だ。しかし、論理的に見えて、実はそうではない意思決定が日常的に見られる。その一例が、必要条件と十分条件の関係を取り違えてしまうこと。大人の数学塾の塾長を務める永野裕之氏に、具体的な例を【問題】として取り上げて、解説してもらった。
※本記事は『【数学的】意思決定トレーニング』の内容を一部抜粋したものです。
必要条件と十分条件
【問題】
上司に次のように言われました。
「7時間以上の睡眠をとれば必ず仕事の効率が上がる。だからお前は7時間以上の睡眠をとる必要がある」
必要条件と十分条件の観点から、上司の言葉の矛盾点を指摘してください。
ビジネスシーンで「必要条件」や「十分条件」という用語がそのまま登場することもありますが、必要条件と十分条件の理解は、論理的に物事を考える際にも非常に重要です。必要条件や十分条件の具体的な使い方を解説していきます。
出かける前にクローゼットの前で洋服を選ぶとき、季節が夏なら、夏服の中から選びますね。それは「今日着る服には暑さをしのげることが必要」だからです。同じように、出かけていく場所にふさわしいか、会う相手に失礼がないかなども吟味するでしょう。これらも今日着る服の必要条件です。
このように、何かを選ぶときは必要条件を重ねていけば、どんどん範囲が狭まり、目的のものが見つかりやすくなります。
これは、多くの人が無意識に行っていることだと思いますが、「あ、必要条件を使っているな」と意識することが重要です。そうすれば、たとえば次のような効率の悪い会議をせずに済みます。
社員A「今度の新製品のアイデアですが、私は競合他社の製品を徹底的に調査しました。その結果わかったことは……(この後約2分続く)」
上司 「よく調べてあるな。ところで、製品化になったとしたら小売価格は700円以下に抑えたいのだが、それは大丈夫か?」
社員A「どんなに切り詰めても1000円程度にはなるかと……」
社員B「私は現代の若者のニーズである『等身大』をキーワードにして考えてまいりました。今どきの若者は……(この後約3分続く)」
上司 「そうか。よくわかった。ただ、今回の新製品は年内発売を目指している。それは可能かな?」
社員B「こちらの商品化は、早くても年明けの3月になります……」
もうおわかりですね。そうです。この上司は新製品が満たすべき最低限の必要条件を、後から部下に提示しています。これが、会議の効率が悪くなっている原因です。
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