「フリーランスいじめ」がしにくくなった背景 安易に安売りをせずに長い目で考えよう
東洋経済オンライン / 2025年2月6日 16時30分
今回のフリーランス保護法は、独禁法や下請法と重複する箇所もありますが、あくまでも独立した法律という位置づけです。下請法にはない新しい規制事項も設けられています。
ちなみに下請法は資本金1000万円以上の企業が対象ですが、フリーランス保護法はそうした資本金の要件はありません。
郷:たしかに零細企業って、法令順守の意識があまり高くない印象がありますもんね。
小山:はい。そういう意味でもかなりフリーランスに寄り添った法律だと思います。
郷:どんなことがルール化されたんですか?
小山:こんな内容です。
(1)業務委託をしたら直ちに取引条件を書面等で明示しないといけない。
報酬額や支払期日、支払方法、検査完了日などを含む
(2)60日以内に報酬を支払わないといけない。
発注品を受け取った日から60日以内
(3)「1か月以上の業務委託」をする場合、以下の7つのことをしてはならない。
受領拒否/報酬減額/返品/買いたたき/物の購入・役務利用の強制/経済上の利益の提供要請/不当な業務内容の変更・やり直し
(4)フリーランス募集情報は正確に書かないといけない。
虚偽情報はもちろん、誤解を与える表示もダメ
(5)「6か月以上の業務委託」をする場合、業務と育児・介護などの両立ができるよう考慮しないといけない。
「介護があるので会議はオンラインにしてほしい」「子どもが病気で作業ができず、納期を少し延ばしてほしい」など
(6)万全なハラスメント対策を講じること。
ハラスメント禁止はもちろん、社内周知、苦情に対応する体制整備、迅速な事後対応など
(7)「6か月以上の業務委託」の中途解除や未更新の通達は30日前までに行うこと。
予告日から解除日までにフリーランス側から理由の開示請求があった場合は、それについて明らかにしないといけない
コンプラ意識の低い会社は山ほどある
郷:おお! 1(取引条件明示)とか本当にやってほしい! 以前、超大手出版社と仕事をしたときに、「原稿料は納品された原稿を見て決めます」とかたくなに言われて、「こんなパワハラ企業と仕事できるか!」と担当者にタンカを切って書きかけの原稿だけ送って仕事を降りた経験があります。きっと6(パワハラ対策)もやってないんだろうなぁ。
小山:ファイターですねぇ(笑)。まあ、コンプラ意識の低い会社なんて掃いて捨てるほどあるのが日本の現実です。
郷:5(育休・介護の両立)もいいですね。私の場合は幸い育児に理解のある編集者さんが多かったので融通を利かせてもらってきましたけど、法律で明記されると助かる人も多そうです。
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