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「つまらないアイデア」ばかり出す人に欠けた視点 そもそも「よいアイデア」の基準を持っていますか?

東洋経済オンライン / 2025年2月6日 16時0分

「%」はグッドアイデアが出る確率を示す。闇雲に要素を組み合わせ続けていても、グッドアイデアに出合う可能性は小さい。そのために必要なのが、この確率をいかに上げるかである。

確率を上げる代表例には、アイデアをまずは発散させ、その中からグッドアイデアを選び、そのアイデアを起点にまた発散を繰り返す「発散と収束」がある。

このようにアイデアづくりは、アイデアの数を増やす(N)、またはグッドアイデアの確率を上げる(%)の2つに大別できる。そして世の中で語られているアイデアの発想法はこのどちらかに当てはめられる。

アイデアを大量に出すこと、確率を上げること、この2つに目が向けられているために、見過ごされている点がある。それが前述の「基準」である。どのような基準を満たせばグッドアイデアなのか、この基準を定めることから始めなければならない。

アイデアの基準

基準の理想は、前述したダーツの的である。ビジネスのように、複雑で自由度が大きいものを扱うのであればなおさらだ。ビジネスの中核を担うアイデアを発想するためには、シンプルで本質的な基準が必要である。

あなたは業種や相手(B to B/B to Cなど)によって、基準は大きく異なると思っているかもしれない。しかし、原則は実は同じだ。ビジネスの中核を担うアイデアの基準は、〈独自性〉と〈市場性〉の両立である。

〈独自性〉とは、競合との差異の大きさである。あらゆるものがコモディティ化していく今日において、〈独自性〉なくしてビジネスで勝つことはできない。一方の〈市場性〉とは、顧客の数である。厳密には、〈市場性〉は顧客数×単価となるが、本書では〈市場性〉=顧客数として進め、詳細は後述する。そして、〈独自性〉と〈市場性〉の「両立」こそが事業の中核となるアイデアの核心である。裏を返せば〈独自性〉と〈市場性〉が通常は相反することを意味する。

この関係は図にすると分かりやすい。縦軸に〈独自性〉、横軸に〈市場性〉をとると、アイデアはこの曲線のどこかに位置することになる。傾向としては左上か右下のどちらかに分かれることが多い。左上は〈独自性〉が高いが〈市場性〉が小さい、つまりその独自性が一部の人にだけ支持される「ニッチ」なアイデアが該当する。それに対して右下は〈独自性〉が低いがゆえに多くの人に支持される「マス」なアイデアが該当する。

ファッションブランドを例に挙げると、左上にはパリコレクションで新作を発表するようなファッションブランドが該当する。ここでは「パリコレ」としよう。パリコレの服はトレンドの先端をいく斬新なデザインであり、万人受けを目指したものではない。

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