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なぜロマンスカーに憧れる?小田急運転士に聞く 駅員→通勤車両の車掌→運転士→…長い道のり

東洋経済オンライン / 2025年2月6日 6時30分

その次は運転士の登用試験を受ける。それを通過すると、見習いとして「指導操縦者」と呼ばれる運転士からマンツーマンで教えてもらい、現場で運転の腕を磨く。そのうえで電車運転科技能試験を受け、運転士として独り立ち(小田急では「単独」と呼ぶ)する。

通勤車両の運転士として単独できるようになってから3年が経過すると、「新人ロマンスカー担当者養成」を受ける。そこでの学科教習や試験に合格すると実技訓練。最終的に技能確認試験にパスし、接客を学ぶロマンスカークルー研修を経て、次年度の4月1日から晴れて乗務することができる。

このようにまず通勤車両に乗務するために、いくつもの養成課程や試験を乗り越えていかなくてはならない。そこからロマンスカーの乗務員になるにはさらに専門課程と試験が待ち構えている。ベテラン運転士であっても油断はできず、2年ごとに任用試験を受ける必要がある。

実際のところ、小田急の運転士は、どのような志望動機があってロマンスカー乗務を目指すのか、またどんな運転士になりたいのか。ロマンスカーに限らず、小田急の好きな車両は?――ロマンスカーの運転士を目指す“新人”のうち5人にアンケートをとってみた。

【写真】シックで落ち着いた印象のMSEの運転席を詳しく見る。駅員→通勤車両の車掌→運転士を経て、ロマンスカーの運転士にならなければ見られない眺めは?

運転士に聞いた志望動機

中村健大さん(2019年入社、海老名乗務所)は「幼少期からロマンスカーは憧れの存在であり、運転士として乗務できることを嬉しく思います。また、先輩方の努力によって築かれてきた伝統を引き継ぐこと、子供たちの憧れの存在になることに気の引き締まる思いでいっぱいです」という。

中村さんが好きなのは通勤車両の「2000形」。理由は「小田急の中では地味な存在ですが、ハンドル試験の車形で思い入れが深く、ブレーキのクセがあり、運転士として成長させてくれている車両だから」。

石井百合さん(2019年入社、海老名乗務所)は「運転士の使命はお客さまを安全に目的地へお届けすることです。安全で快適な旅を楽しんでいただけるように、無駄のない運転操作でおもてなしをしたいです。お客さまとの出会いは一期一会であり、思い出に残る優雅な移動空間を提供できる運転士になりたいです」と将来像を描く。

好きな車両は2012年に引退したロマンスカー・RSE(20000形)。理由は「外観が丸々していて色鮮やかだから」。

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