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不満のはけ口?医療者がSNS「不適切投稿」の背景 海外では「手術を生中継した」医師が免許剥奪も

東洋経済オンライン / 2025年2月7日 13時0分

SNS投稿をする医療者の背景を探ります(写真:mits/PIXTA)

千葉大学医学部附属病院(以下、千葉大学病院)の看護師とみられる人物が、X(旧ツイッター)に、「インシデント書くの面倒だから、いつも隠蔽しちゃう!」「いつも飲ませたフリをしてこっそり捨ててる」「某大学病院、◯◯◯腸外科のあの医者、死ね」などの投稿をした。

1月10日、千葉大学病院は「当院に関する『X』の投稿について(第2報)」という見解を発表し、調査対象となっている職員について、9日に自宅待機を命じた。また、内部調査を進めていること、および必要であれば外部調査を行う方針であることを明かした。

今回の問題は氷山の一角?

この件は現在調査中で真相は不明なため、軽率な発言は控えたい。ただ、千葉大学病院が当該職員の自宅待機を命じている以上、何らかの問題があった可能性は高いのだろう。

筆者は、このような「事件」は起こるべくして起こったと思うし、この件は、氷山の一角だろうと考えている。なぜなら、世界でもSNSを舞台とした医療従事者の軽率な行動が、数多く報告されているからだ。

2018年、アメリカ・テキサス州の小児病院の看護師が、SNSに患者情報を投稿し、HIPAA法(医療保険の携行性と責任に関する法)に違反しているとして、病院を解雇された。

この看護師は、自らが看護した麻疹(はしか)に罹った男児の様子をSNSに投稿。麻疹の深刻さが想像以上と感じたことや、これまでに麻疹患者に接したことがなかったことを明かした。

看護師はワクチン懐疑主義者だったが、「反ワクチン派として、私たちは簡単に仮定を立てがちですが、大多数の人はこれらの病気を見たことがなく、今後も見ることはないでしょう」とコメントし、十分な知識や経験を持たないまま、独善的な議論におちいるリスクを指摘している。

そして、「この子が本当に苦しんでいる様子を目の当たりにすると、親として恐怖から予防接種を選ぶ気持ちも理解できる」と記している。その一方で、「(今回の経験があっても)自分のワクチンに対する立場は変わらない」とも述べている。

この例は、患者や保護者の同意を得て、個人が特定されないよう配慮したうえで医学会などで発表していたのなら、何の問題もなかっただろう。

この看護師が解雇されたのは、自らの主義主張を述べるために、無断で患者の個人情報をSNSにさらしたからだ。患者の利益を最優先しなければならない医療従事者としてあってはならない行為だ。小児病院の経営陣が、看護師を解雇したのも理解できる。

手術の光景をライブストリーミング

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