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「パズドラ」ガンホー、株主がかみついた"高額報酬" 業績・株価低迷の一方、社長報酬は任天堂に匹敵

東洋経済オンライン / 2025年2月7日 7時30分

2012年にリリースしたパズドラが大ヒットを記録したガンホー。その後、新たなヒット作は生み出せていない(撮影:尾形文繁)

「『13年』かけてヒット作ゼロ」「ゲーム会社を言い訳にした怠慢経営」「必要なのは、このまま沈み続けても大丈夫な手元資金ではなく、再び浮上するためのきっかけ」

【図表で見る】業績は停滞する一方、社長の役員報酬は大幅に増えている

スマホゲーム「パズル&ドラゴンズ」(パズドラ)を手がけるガンホー・オンライン・エンターテイメントに対し、アクティビスト(物言う株主)のストラテジックキャピタル(SC)が株主提案を行った。SCが1月30日に公開したサイトでは、ガンホーの経営に対する辛辣なコメントが並ぶ。

約5%の株式を保有しているSCは、ガンホーに対し、報酬制度の見直しや178億円相当を配当に回すことなどを求めている。178億円はガンホー単体の現預金残高890億円の5分の1に当たる。提案が通れば、2024年度の当期純利益(アナリスト予想ベース)をすべて配当に回すことになり、1株当たりの配当額は前期の30円から318円と大幅増配になる。

なぜガンホーに目を付けたのか

「パートナーと連携した非公開化が最善の選択肢だが、上場を維持して株主価値を上げるならこうしてほしいという内容だ。5年以内にヒットを出すという緊張感を出してほしい」。大規模な株主還元を含む株主提案を行った意図について、SCの丸木強代表はそう説明する。

ガンホーは2012年にリリースしたパズドラの大ヒットにより業績を急激に伸ばし、時価総額は一時1兆5000億円を超えた。パズドラは2023年度も、連結売上高の約3割(単体売上高の約9割)に相当する400億円以上を稼いでおり、安定収益をもたらず長寿タイトルとなっている。

ただ、連結営業利益は2014年のピーク時の3割程度で横ばいが続き、足元の時価総額は3000億円弱にしぼんでいる。ニンテンドースイッチ向けアクションゲーム「ニンジャラ」など、PC・家庭用ゲーム向けタイトルの開発も強化してきたが、パズドラに続く大ヒットは生み出せていない。

一方、ゲーム業界関係者からは「ヒット作の創出に苦戦しているという点ではどの会社も当てはまる」との声も上がる。国内のスマホゲーム市場はすでに頭打ちを迎え、パズドラの翌年に「モンスターストライク」をヒットさせたMIXIも、新たな人気タイトルの創出に苦労している。

では今回、なぜガンホーに矛先が向けられたのか。

SCが問題視したのは、ガンホーの森下一喜社長への高額な役員報酬だ。

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