中国「時速400km」高速列車は本当に走れるのか 車両の性能は高くても運行できる路線がない?
東洋経済オンライン / 2025年2月7日 6時30分
中国で2024年末、営業運転速度で時速400kmを目指す新たな高速車両「CR450」がお披露目された。世界最大の鉄道車両メーカーである中国中車(CRRC)と中国鉄路総公司(中国国鉄)の共同開発で、設計最高速度は時速450km。中国では「高速鉄道技術の進化を象徴する存在」ともてはやされる状況となっている。
これまで高速鉄道に関する世界の趨勢では、営業運転では時速350km程度が上限とされてきた。営業最高速度で時速400kmを目指す車両の登場を、中国メディアは積極的に「技術的自立の証」として報じている。
はたしてどんな車両なのか、そして、そんなハイスペックな車両を走らせることができる路線は存在するのか。
時速450kmで走行可能
「CR450」の製作プロジェクトは2018年に始動したとされる。現状では世界最速の営業運行速度である時速350km運転を誇る「復興号」CR400(2017年運行開始)の次世代モデルとして開発が進められてきた。
【写真】最高時速400kmでの営業運転を目指すCR450や現行の「復興号」CR400、インドネシアを走る中国製高速車両、そして「時速351km」の速度表示など、さまざまな中国高速鉄道の姿
2023年6月には試験車両が福建省の福厦高速鉄道での試験走行で時速453kmを達成、対向走行時の相対速度(すれ違いの際の速度の合計)は時速891kmを記録した。リニアモーターカーではない従来式の鉄道の最高速度である、フランスのTGVが2007年に記録した時速574.8kmには及ばないものの、JR東海の新幹線高速試験車300Xが1996年に達成した日本最高記録の時速443kmを10km上回っている。
そして2024年12月29日に2種類の試作車両、CR450AFとCR450BFが公開された。前者は青島CRRC四方車両、後者はCRRC長春鉄道車両が設計・製造した。
CR450は試験走行時の最高時速が450kmで、営業最高時速は400km。CRRCによると2種類とも8両編成で、うち4両がモーター搭載車両、ほか4両がモーターなしの構成だ。モーターは永久磁石電動機を採用。重量は既存のCR400に比べると10%軽量化され、走行抵抗は22%減少した。車体や走行機器類、パンタグラフなど4000カ所以上をリアルタイム監視する仕組みを備えるといい、安全性の高さを強調している。
既存の路線は最高時速350kmまで
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