中国「時速400km」高速列車は本当に走れるのか 車両の性能は高くても運行できる路線がない?
東洋経済オンライン / 2025年2月7日 6時30分
また、中国メディアから読み取れる技術的特徴として、高度な列車制御システム、回生ブレーキ技術の強化が行われているとされる。これらの技術により、エネルギー効率と速度性能が向上しているという。2025年中には実際に営業路線への投入が予定されている。
CR450について、中国のネット上では技術力を賞賛する声を中心にさまざまな反応が見られる。ただ、安全性や経済性を懸念するコメントも多いようだ。
例えば、「速さはすごいが、営業運転時の安全性は大丈夫なのか? 特に地震や悪天候時の対策が気になる」「試験走行は成功しても、実際の乗客を乗せての長期運用が課題。信頼性の証明が必要」といった冷静な声だ。
また「新たな路線の建設コストも考慮しないと。既存路線では時速350kmでしか走れないのに、新技術のメリットはどこに?」といった意見も見られる。
【写真】「時速351km」を表示した車内の電光掲示板
実際に、これまでに開業した高速鉄道の営業最高速度は時速350kmまでに制限されている。既存の路線で運転を始めても、フルスペックの時速400km運転はしばらく先になりそうだ。
最高時速400kmの新線で実力発揮か
では、時速400km運転の見込みはないのか。現地報道によると、2027年に開通が見込まれる成渝中線高速鉄道(成都―重慶間の第2高速鉄道)はCR450による時速400km運行を目指すとされている。実現すれば、約300kmの両都市間が最短50分未満まで短縮される見込みだ。
また、今後の展開として検討されていることとしては、CR450の国際市場への進出がある。従来の復興号はインドネシアのジャカルタ―バンドン高速鉄道(KCIC、通称「Whoosh」)向けに輸出されており、中国以外の国で時速350kmによる営業運行を実現している。
【写真】最高時速350kmで走るインドネシア高速鉄道の車両。車内の様子は?
こうしたことから、CR450による「一帯一路」構想を通じた国際市場への進出は絵空事とは言えないだろう。新たな高速車両が、中国の鉄道技術の発展を象徴する存在として、世界の高速鉄道市場に大きな影響を与えることになるかもしれない。
中国で時速400km運転が現実味を帯びる一方、注目されるのが建設が進むインドの高速鉄道だ。
同国では複数の高速鉄道計画が存在するが、日本が支援する「ムンバイ・アーメダバード高速鉄道(MAHSR)」が最も早く開業しそうだ。いわゆる「インド新幹線」であり、日本の新幹線技術が海外に本格導入される事例として注目されている。2017年に着工し、当初は2023年ごろの開業も目指したが、用地買収の遅れなどから現在のところ2030年ごろの開業予定とされている。
インドに「ALFA-X」?
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