斉藤・公明代表「連立離脱」発言が波紋広げる事情 石破・斉藤盟友関係の"真価"が問われる
東洋経済オンライン / 2025年2月7日 15時30分
30年ぶりの少数与党下での通常国会は、与野党双方が掲げる「熟議」の裏側で、「夏の政治決戦」をにらむ各党・各会派が、水面下での激しい駆け引きを展開している。その中で、永田町関係者の注目を集めているのが、斉藤鉄夫・公明党代表のいわゆる「連立離脱発言」だ。
斉藤氏が1月24日の通常国会召集に先立ち、朝日新聞の単独インタビューなどで、巨額裏金問題の解明に消極的な自民党を、まず厳しく批判した上で、自民と政策が一致できなかった場合の連立離脱について「常にその緊張感はある」と発言し、政界全体に大きな波紋を広げたからだ。
もともと、昨年暮れの臨時国会での与野党攻防時から、公明党の“自民離れ”が目立ち始めていた。このため、今回の発言も「その延長線上での自民への牽制球」(自民幹部)との受け止めが大勢だが、自民内には「今後の与野党攻防を見据えると、状況は思った以上に深刻」(長老)との危機感も広がっている。
そもそも、「宙づり国会」に苦闘する石破茂首相にとって、斉藤氏は「最も信頼し、心を許し合える盟友」(首相側近)のはず。その斉藤氏の“不穏”な発言の裏には、「石破政権の続投の可否を握るのは公明」との認識も透けてみえる。
それだけに、石破首相が目指す「来年度予算の年度内成立」「企業・団体献金」「選択的夫婦別姓」という“3大関門”突破に向け、「今後は石破、斉藤両氏の協力関係の可否が政権維持への重要なカギとなる」(政治ジャーナリスト)ことは間違いなさそうだ。
国民民主と維新の政策要求に「柔軟な対応」を促す
斉藤氏の件の発言は、1月22日に行われた朝日新聞の単独インタビューの中で飛び出した。斉藤氏はまず、少数与党下での厳しい政権・国会運営についての基本認識を問われると、「衆院選は大変厳しい結果となった。結党60年の節目だったが重く受け止め、結党の原点に立ち返って再スタートしたい」と“原点回帰”の必要性を強調。その上で「公明党は与党の時も野党の時も合意形成の要になってきた自負がある。野党の賛成が得られなければ予算案も法案も通らない中、国民生活本位という視点から合意形成の要になり、存在感を示す」と語った。
さらに、自民党が消極姿勢を維持している核兵器禁止条約の締約国会議への戦争被爆国としてのオブザーバー参加について「法案とは関係ないが、核廃絶というのは我が党の原点。参加を実現したい」と明言。
併せて、当面の国会攻防の焦点となる、国民民主党の「年収の壁の引き上げ」や日本維新の会の「高校授業料の無償化」の要求についても、それぞれ「国民民主が訴える178万円は厳しいと思うが、(現時点の合意である)123万円にこだわるものではない」「高校授業料の無償化を4月から実施するには準備時間が足りないと思う。ただ方向性は理解できるので、建設的に議論したい」と、自民に柔軟な対応を促した。
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