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リタイア後の人生「失敗する・成功する人」決定差 大企業を早期退職し、カフェを始めたものの…

東洋経済オンライン / 2025年2月8日 9時30分

ドライブや旅行など、奥さまも一緒に楽しめるのもいいですよね。

もうひとりは、大手企業を早期退職したMさんです。

Mさんも、リタイア後に夢を叶えました。それは、カフェオーナーになること。

コーヒーやカフェめぐりが好きだったMさんは「お客さんに本当においしいコーヒーを飲んでもらいたい。コーヒーの知識もあるし、自分ならできる」という自信があったのです。

Mさんは、専門学校の短期コースでカフェ開業についての基礎を学び、自宅近くの店舗を借りました。

豆の質や焙煎にこだわり、メニューは最低限に絞る。

Mさんは「いいものを出せば、お客さんは来てくれるはずだ」と確信していました。

自信を持って始めたカフェの1年後は……

しかし……。

オープン直後は近所の人や友人・知人が来店してくれましたが、Mさんのカフェはすぐに閑古鳥が鳴くようになりました。

専門学校の学費、店舗の改装費、備品や設備費、仕入れ費、家賃や光熱費、人件費……で、退職金や貯蓄はすぐに底をつきました。

結果、Mさんは1年もたずに店を閉める決意をすることになったのです。

おいしいコーヒーを淹れる力があっても、カフェ経営がうまくいくわけではありません。

客側がカフェに求めるのは、店の雰囲気、味、サービス、価格、立地、オペレーション、メニューのバリエーション、居心地のよさなど、総合的なクオリティです。

「コーヒーのおいしさ」はその中のひとつのパートにすぎません。

しかも、客単価が低く、回転率の悪いカフェは、外食産業の中でも利益が出にくい業態のひとつです。

外食産業で働いた経験のないMさんにとって、そもそもビジネスとしてカフェを成立させるのは非常に高いハードルだったのです。

いきなり変えるのではなく、無理なくシフトする

KさんやMさんだけでなく、多くの人の「第2の人生」を見てきた私から言えることがあります。

Mさんのように、いきなり新しいことを始めると、経験も慣れもないため、失敗するリスクが高くなります。

それよりも、第2の人生では若い頃から好きだったこと、長年続けていたことに無理なくシフトして、花開かせるほうが、うまくいくような気がします。

リタイア後に、いきなり180度違う新しい世界に飛び込むのは難しいものです。

そう考えると、現役時代から「リタイア後の生活」につながるような趣味や習慣を始め、しっかり「準備」しておくことが、「第2の人生」を上手に楽しむコツと言えるかもしれません。

松尾 拓也:行政書士、ファイナンシャル・プランナー、相続と供養に精通する終活の専門家

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