1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

日ハムVS.プリマ、肉薄する「ソーセージ頂上決戦」 ブランドの拡大か、それとも価格重視か?

東洋経済オンライン / 2025年2月8日 7時30分

消費者の節約志向が高まる中、ソーセージのシェア争いも熾烈になっている(記者撮影)

今年、40周年を迎える「シャウエッセン」が転換点に差し掛かっている。

【写真】3月に発売される「ギルティソーセージ」の勇姿

食肉首位の日本ハムにとってシャウエッセンは看板商品だ。ウインナーソーセージカテゴリーで30年以上にわたりシェアトップに君臨しており、その認知度は群を抜いている。

ところが、足元では王者シャウエッセンが市場シェアを落としているようだ。シェアを奪っているのがプリマハムの看板商品「香薫(こうくん)あらびきポーク」(以下香薫)だ。

プリマによると、香薫は2023年度の販売個数でウインナーソーセージカテゴリーの1位(出典:KSP‐POSデータ)。また、ハム・ソーセージ全体についても2024年の複数の月でシェア1位を記録(出典:インテージSCIデータ)しているという。

ブランド全体で伸ばすシャウエッセン

香薫が販売数を伸ばしている最大の要因は価格だ。調査会社のTrue Dataによれば、2024年10~12月時点での平均価格(税抜)は「シャウエッセン」(117g×2袋)が362円だったのに対し、「香薫」(90g×2袋)は269円と3割ほど安かった。

相次ぐ食品の値上げで消費者の節約志向は高まっている。「シャウエッセンよりも圧倒的に価格が安い香薫は販売を伸ばし、シェアが拡大している」(競合他社社員)というわけだ。

True Dataによると、2024年10~12月のシェアはシャウエッセンが首位だった。一方、複数の業界関係者は「データによっては、シャウエッセンを抜いて香薫がトップになる月が増えてきている」と口をそろえる。日ハム、プリマともにシェア争奪戦は肉薄しているようだ。

日ハムのブランド戦略室長兼マーケティング室長の長田昌之氏は、シャウエッセンのシェア低下を認めつつも、「大袋商品やホットチリ味の商品など、ブランド全体でのシェアは伸び続けている」と強調する。

日ハムはシャウエッセンのブランド力を生かした拡販を進めている。狙うのは20~30代の若い層だ。シャウエッセンの購買層は40代以上が中心で、顧客の高齢化が進んでいるためだ。日ハムの高崎賢司グループ戦略推進事業部長は「おつまみや鍋料理など、シャウエッセンの利用シーンを拡大していく」と語る。

2024年10月に期間限定で発売した「シャウエッセン 夜味」は、夕食やおつまみなど、新たなシーンを狙った商品だった。シャウエッセンは主に朝食や昼食で利用されており、それが全体の約80%を占めていた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください