1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

椿屋珈琲店「1250円朝食」で味わう大正ロマン気分 まだ訪日客に見つかってない?穴場カフェの実力

東洋経済オンライン / 2025年2月8日 8時40分

でも食べてみると、全てに抜かりがなく、全部普通のものより少しおいしいのです。

モーニングをさらに格上げしてくれるのが、テーブルウェアです。

食器類は全てロイヤルコペンハーゲンでそろえられており、白地に繊細なネイビーのラインで描かれた紋様の愛らしさ、お皿のリムのフリルの繊細さが、普通のモーニングに特別感を醸し出してくれます。

普通だけど特別なモーニング

トーストは昔ながらの普通のパンながら、焼き色の美しさ、耳の香ばしさ、生地のきめ細かさが絶妙で、何よりパン自体がおいしい。

素材も良いし、パサパサじゃない。おいしいものがベストな状態で提供されています。

添えられたバターも室温で戻してあり、バターナイフがスッと通る柔らかさになっていて、パンに塗る時もノーストレスです。こういう小さな気遣いにグッと来ます。

バターって冷たいとカチカチなのに、室温がちょっと高いだけで溶けてくる。おいしいけど扱いが厄介なんですよね。

グリーンサラダには、ベビーリーフミックスに紫キャベツ、きゅうりとトマト。ドレッシングはフレンチでした。つまりは昔ながらの普通のサラダです。

アクセントにハーブが添えられていたり、個性的なドレッシングがかかっていたりしません。でも、全ての素材がフレッシュで一番おいしいタイミングで食べられている感が半端ない。

控えめな味付けの卵サラダや、しっとりと上品なロースハム、全部が全部、自己主張してこないけど、ばっちりおいしく、モーニング界の優等生といった、凛とした朝食でした。

インバウンドにまだ見つかっていない穴場カフェ

筆者が訪れた「椿屋珈琲店」は、サラリーマンの聖地と呼ばれるオフィス街の駅徒歩1分の雑居ビルの片隅にあります。

間口の狭い小さな店が乱立しているガチャガチャしたビルの突き当たり、ツヤツヤと輝く焦茶色のドアを開けると、そこはさながら別世界。

落ち着いた赤のカーペット敷きの店内。ブドウ柄の刺繍入りのベンチシートに、メイド服姿のホールスタッフ。ステンドグラスの窓からは朝の光が差し込みます。

今風のインテリアでは味わえない、落ち着きが店内に充満している、それが「椿屋珈琲店」なのです。

昼下がりに同店に行くと、ケーキセットを食べながら談笑している女性グループで混み合っているのですが、平日朝10時の店内は空いていて、開放感がすごい。

朝の客層は、スーツ姿の男性が多めです。席間はたっぷりとゆとりをもたせてあるうえに、1人でも4人掛けの席に案内してもらえるというのがポイントなのかもしれません。

得意先に行く前に広いテーブルでゆっくり朝食をとりながら、脳内作戦会議でもするのでしょうか。店内奥にある喫煙席目当ての人もどうやら多そうです。

店内は作り込まれた世界観が魅力的なうえに、抜群の立地のため、インフルエンサーがSNSで紹介したら、外国人観光客が殺到しそうな気配があるのですが、「どうか一日でも長くバレませんように」と身勝手に念じつつ、優雅にトーストをかじる朝です。

【本文中でご紹介できなかった画像も!】土日の朝に食べたい!椿屋珈琲店の「1250円モーニング」

編集部注:本記事に登場するメニューの価格は、すべて取材時点のものです。昨今の円安、原材料高騰などの影響を受けて価格が改定されている可能性があります。また、店舗によってモーニングの値段・内容は異なる場合があります。

大木奈 ハル子:ブロガー・ライター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください