「頑張ればできる」が子どもを追い詰める残酷理由 子どもの可能性を奪ってしまう「親の口ぐせ」
東洋経済オンライン / 2025年2月8日 15時30分
冷え込みがつらくなるシーズン、お子様とお家で過ごすことも多いのではないでしょうか。
「今日、どうだった?」「頑張ればなんでもできる」――。親が無意識に口にする何気ない一言が、実は子どもの心を深く傷つけ、成長の可能性を奪っているかもしれません。
書籍『親に知っておいてほしかった「悪魔の口ぐせ」』の著者であり、マザーズコーチングスクール代表の馬場啓介氏は、全国の教育委員会の後援を受け「いじめ」や「子どもの孤独」などの問題に取り組む中で、多くの親が気づかずに子どもの心を追い詰めている現実を目の当たりにしてきました。馬場さんに、子どもの可能性、特に自信を奪ってしまう「親の口ぐせ」についてうかがいました。
自分に自信を持つことはとても重要
生きていく上でも、コミュニケーションの土台としても、自分に自信を持つことはとても重要です。
私が考える「自信がある人」とは、”自分を信頼できている人”。そして、「自分との小さな約束を守れる人」です。
「ダイエットのために、3カ月、間食をやめよう!」
「本を1日30ページ読んで寝よう!」
誰もがうらやむような実績がなくても、自分で決めた日々の小さな目標をしっかり実行できれば、自然と、自信が伝わる顔つきになるものです。
では、それができる人とできない人の違いは、どこから生まれるのでしょうか?
それは、現代の教育で最も重要視されている「メタ認知能力」でも説明できます。「メタ認知能力」とは、”自己の認知活動(知覚、記憶、情動、思考など)を客観的に捉え、評価した上で制御できる力”のことです。
私は「自分と信頼関係を築く力」とも表現していますが、「自分を客観的によく見て、自分と仲よく関わることができる力」とも言い換えられます。自分のことを客観的に評価できて制御もできるわけですから、メタ認知能力が高ければ、「自分の決めた小さな目標を実行する力」は当然高いはずです。
ケンブリッジ大学のBarbara Sahakian教授の研究によると、人は1日に約3万5000回、自分に問いかけているそうですが、自分で自分を応援し、最高の味方にできている人が、“自信がある人”と言えるのではないでしょうか。反対にメタ認知能力が低い人は、自分のことを客観的に評価・制御することが得意ではないので、何かやろうとしても、「自分にはどうせ無理」「私なんて……」「私はこんなものよね」などの思考が先行しがちです。
これでは、”自分いじめ”になりかねません。
子どもの能力の成長を妨げる経験
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