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性的少数者まさかの黒人差別でハリウッド大混乱 オスカー候補のトランスジェンダー女優が「出禁」に

東洋経済オンライン / 2025年2月9日 10時0分

女性キャストらもそこを強調し、女性に囲まれた現場がいかにすばらしかったか、お互いからどれほど励ましを受けたかを、取材でも積極的に語ってきている。

「マイノリティ」「女性」は、この映画のアピールポイント。その象徴でもあったのが、トランスジェンダーのガスコンだったのだ。

だが、実は、その本人は、ほかのマイノリティも、権利のために立ち上がる女性も、嫌いだった。ハリウッドとアカデミーは、それを知らずに彼女を応援してきた。なんというまぬけな話だろうか。

完全な孤立無援に

逆に、ハリウッドを嫌うトランプ支持者にすれば、すばらしい笑いのネタだろう。だが、彼らもガスコンの味方にはつかない。ガスコンの投稿内容自体は、トランプ支持者が共感しそうなことだらけ。もしガスコンが生まれた時のままのスペイン人男性だったなら、ある意味、ヒーローになったかもしれない。しかし、トランプは、最近も、「性別は男性と女性の2つしかない」と言い放ったばかりだ。

ついこの間までアワードシーズンを一緒に歩む仲間だった『エミリア・ペレス』の監督や共演者も、もはやガスコンと距離を置いている。いくらガスコンが「今の私は昔と変わった」と主張しても、あれらの投稿は衝撃的すぎて、彼女をかばうことは自分のイメージダウンにつながる。

とくに助演のゾーイ・サルダナは、長いキャリアの中で初めてオスカー候補入りを果たし、受賞を目の前にしている。このチャンスを逃すわけにはいかない。

そんなふうに、ガスコンは、今や孤立無援となった。アカデミー賞に候補入りしていて、授賞式に行きたいのに行けない彼女は、これからどうするのか。その日はどこで何をして過ごすのか。予想通りサルダナが受賞したら、お祝いのメッセージを贈るのか。それに対して返事は来るのか。

華やかなアカデミー賞も、今年は暗い影がつきまとう。 

猿渡 由紀:L.A.在住映画ジャーナリスト

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