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「つまらない夫」40代妻が離婚を決めて掴んだ人生 シェアハウスでリスタート、そして再婚へ

東洋経済オンライン / 2025年2月9日 12時0分

想定外だったのは子育て中だった次女の態度が急変したことだ。善明さんとの新しい生活を大事にしようとする早苗さんに対して、「孫よりもそっちのほうが大事なのね」と言い放ち、プレゼントを送ってもLINE一文程度しかお礼の言葉がない。孫よりも娘である次女のことが可愛かった早苗さんだが、今は諦めて連絡を絶っている。

「寂しいことですが、嫌な気持ちになるよりはいいと思っています。私は人生の新しいページを開いてしまったので仕方ないことなのかもしれません」

「ケンカもまた楽しい」と思える夫婦

ここまで聞いたあたりで、ランチをしながらのインタビュー場所であるレストランに善明さんが遅れて来てくれた。週一でボクササイズをしているという短髪で肌艶のいい男性だ。65歳までは役職定年もないメーカーの現役社員だという。到着して早々に、早苗さんの第一印象を聞いたところ、善明さんのほうは一目惚れだったようだ。

「目がクリクリしていて可愛い女性だなと思いました。そして、なんというか全体的に輝いて見えたんです。話すと、頭の回転が速くて賢い人なんだとわかりました。何でも言い合えるのでストレスはありません」

善明さんにも離婚歴があり、早苗さんよりも長い32年間の結婚生活だったという。しかし、ケンカをするとお互いに憎しみが残ってしまうような夫婦関係だった。

「今の妻とはケンカをしても大丈夫です。お互いにさらに相手のことを知り、関係性がよくなるためのプロセスなのだとわかっているので、ケンカもまた楽しいです」

善明さんにも前の結婚で息子と娘がいるが、それぞれすでに30代40代の立派な社会人だ。早苗さんと再婚してからは「密には関わっていない」という。

老いる暇がない、夫婦だけの美的な生活

共通の趣味である写真に関しては、歴が短い早苗さんが撮影して加工した作品を善明さんは手放しで賞賛している。抽象画も描き始めたという早苗さんはもともと美的センスが備わっていて、善明さんとの出会いで才能が開花したのだ。

「前の夫との結婚生活では、ケンカどころかまともな会話もできませんでした。だから、ケンカができる人と知り合えたのがすごく嬉しかったんです。今では、女性的なところもある夫は双子の片割れ同士みたいに感じています。ケンカもほとんどしなくなりました」

最近、九州の湖畔にあるマンションを購入したという2人。善明さんが定年後を迎えた後は、神奈川の家を引き払って移住して、写真三昧の毎日を送る予定だ。

子どもや孫に囲まれた老後とは異なる、夫婦だけの美的な生活。住むのは見知らぬ土地だけど、「類は友を呼ぶ」ような面白い出会いもあるだろう。これからの早苗さんと善明さんには老いる暇がない気がする。

本連載に登場してくださる、ご夫婦のうちどちらかが35歳以上で結婚した「晩婚さん」を募集しております(ご結婚5年目ぐらいまで)。事実婚や同性婚の方も歓迎いたします。お申込みはこちらのフォームよりお願いします。

大宮 冬洋:ライター

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