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若手と企業が考える「安定している」の意味は違う そもそも「今どきの若者はすぐ辞める」も間違い

東洋経済オンライン / 2025年2月11日 12時0分

若者が求めている安定とは?(写真:mits/PIXTA)

深刻化する人手不足対策として、企業は働き方改革などに力を入れていますが、「若手社員が定着しなくて困っている」という声が聞かれます。それは企業側が若手社員が辞める理由を勘違いしているからです。本稿では『離職防止のプロが2000人に訊いてわかった! 若手が辞める「まさか」の理由』より一部抜粋のうえ、若手社員が何を考えているかをご紹介します。

今どきの若者が企業に求めている要素

若者の気質を知るヒントとして、株式会社マイナビの「大学生就職意識調査」を見てみましょう。

「企業選択のポイント」という項目を見てみると、今どきの若者が企業に求めている要素がわかります。2025年卒予定の大学生に聞いた「企業選択のポイント」の上位5項目は、以下の通りです。

1位 安定している会社

2位 自分のやりたい仕事(職種)ができる会社

3位 給料の良い会社

4位 勤務制度・住宅など福利厚生の良い会社

5位 休日・休暇の多い会社

1位の「安定している会社」は5年連続トップです。しかも、その数字を毎年伸ばしています。

一方で2位の「自分のやりたい仕事(職種)ができる会社」は、2019年卒までの調査ではずっと1位でしたが、2020年卒で2位に陥落。そこから数字が落ち続けています。

3位の「給料の良い会社」は、以前はそれほど順位が高くなかったのですが、ここ数年で一気に順位を上げていて、来年か再来年には2位と3位が入れ替わる可能性もあり得ます。それほど、今の若者にとって「安定と給料」は大切な要素です。

若者にとっての「安定」の意味

しかし、ここで一つ疑問が生じます。安定と給料を求めているのなら、なぜ中小企業と比べて、大企業の早期離職率は上昇傾向にあるのでしょうか?

一見、矛盾しているように思えるこの現象に、若手社員の辞める理由を知るヒントが隠されています。キーワードは「安定の意味」です。

安定している会社と給料がよい会社が人気ならば、初任給を上げて、採用サイトや採用説明会では、会社の歴史や業績をアピールすれば応募が集まるはずです。

実際、採用サイトには、給料と安定をアピールしている会社がたくさんあります。中小・中堅企業の場合「弊社は、大企業の○○社が取引先なので、安定した収益があります」など、大手有名企業との取引をアピールするケースも散見されます。

企業が必死に伝えているのは「うちの会社はつぶれる確率が低い」という意味での安定です。しかし、実はこれ、若者が求めている安定とは違います。

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