日本製が想像以上に活躍「アイルランド」の鉄道旅 車両は輸入頼みでも「世界競争力」は堂々4位
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 6時30分
IC乗車券「リープ・カード」もうまくできていて、観光客にもおすすめである。ICカードに、1日に引き落とされる金額の上限があることは2024年7月2日付記事(将来の北海道?「ニュージーランド」鉄道の実態)で紹介したが、アイルランドでも同じ仕組みであった。1日の上限だけでなく、1週間の上限、1日の上限も平日と週末で金額が異なるなど、何かと利用者本位にできていた。日本のように乗った区間、すべてがまるまるいくらでも引き落とされるという仕組みでしかないのは、世界では少数派なのではないかと感じる。
フェリーと列車を乗り継いでロンドンへも
鉄道ファン的に興味深いルートもあり、首都ダブリンからフェリーで対岸のイギリス・ウェールズのホーリーヘッドに渡ることができる。乗船時間は3時間なのでかつての青函連絡船より少し短い。ホーリーヘッドでは港と駅が隣接し、マンチェスターやロンドン方面行きの列車が出る。
ダブリンを朝出発、フェリー、ロンドン行き特急列車と乗り継ぐと夕方にはロンドンのユーストン駅に到着する。この特急列車は日立製の電車である。ホーリーヘッドへの路線は非電化なので、パンタグラフを下げてエンジン発電モーター駆動で出発し、電化区間へ入るとパンタグラフからの集電で走行する。
日本では味わえなくなったフェリーと列車を乗り継ぐ旅ができ、最新技術の日本製車両という部分も見逃せないだろう。
スイスの有力ビジネススクールの国際経営開発研究所が発表した世界競争力ランキング(2024年)では対象の67カ国中1位シンガポール、2位スイス、3位デンマーク、そして4位がアイルランドである(日本は38位)。この調査は、政治、ビジネスの環境、経済力、インフラなどを総合的に評価している。
前述の通り、アイルランドの鉄道車両は輸入に頼っている。「他国のものを購入したほうが手っ取り早い」ということであろう。かといって、鉱物資源や農産物などの輸出品が豊富ということでもない。ではアイルランドはどうやって稼いでいるのだろうか。筆者は経済の知識はないが、交通の分野でもアイルランドには長けた部分がある。
アイルランドにはヨーロッパ最大の格安航空会社ライアンエアーがある。日本的に考えると、アイルランドの航空会社なので、アイルランド国内とアイルランド発着の国際線を運航していそうだが、実際はアイルランドと関係なくヨーロッパ中を飛び回り、路線網は北アフリカや中東にまで広がっている。EU経済統合で、域内であれば、EUの航空会社は国籍を問わずどこでも自由に飛べるルールを活かして成長した。
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