石破・トランプ会談「成功」評価に欠ける重要視点 目先の問題は回避されたが100点満点ではない
東洋経済オンライン / 2025年2月11日 7時0分
ドナルド・トランプ大統領との会談を終え、2月8日夜に帰国した石破茂首相。翌9日にテレビ番組に出演した際にはトランプ大統領との相性を聞かれ、「また会って話したいと思った」と機嫌よく答えた。
上機嫌の理由は、会談の成功だ。トランプ大統領はオーバルオフィス(大統領執務室)に招き入れるとき、石破首相の背中をそっと押した。会談はなごやかな雰囲気で行われ、懸念されていた関税問題は持ち上がらなかった。
また、懸案の1つであった日本製鉄によるUSスチール買収問題も、「大規模な投資」ということで落としどころを見いだした。実際には内容次第だが、日本側に名より実を提供したことになる。
カナダやメキシコのような「関税問題」は避けられた格好だが、日本側からの“お土産”も十分なものだった。石破首相は対米投資額を従来の8000億ドルから1兆ドルに引き上げ、アメリカからの液化天然ガスの輸入枠も拡大すると約束した。対日赤字の解消に意欲を見せたトランプ大統領も、これには満足したようだ。
日米首脳会談の2つの目的
初の日米首脳会談に挑んだ石破首相には「2つの目的」があった。1つは、トランプ大統領との友好関係を築くこと、そしてそれによって国内で石破批判に明け暮れる岩盤保守層にアピールすることだ。
自民党支持層の3割を占めるといわれる岩盤保守層は、長きにわたって安倍・菅政権を支えてきた。だが、昨年10月1日に石破政権が発足後、一気に“反政権”に転じている。
例えば、昨年11月にペルーで行われたAPEC(アジア太平洋経済協力)首脳会議では、ひとりスマホをいじる様子に批判が殺到。マレーシアのアンワル・イブラヒム首相やカナダのジャスティン・トルドー首相が声をかけてきたときに座ったままで対応したことでも、「マナー違反」の声が相次いだ。
そもそも政権発足時から、「身だしなみ」についての批判が始まった。第1次石破内閣の集合写真では、「だらしない」「清潔感がない」との声が殺到した。また、石破首相がおにぎりを頬張り、食事をする動画に対しては、まさに「箸の上げ下ろし」についての苦情が相次いだ。
今回の訪米に際しても、「コートのポケットに手を突っ込んだまま」と指摘され、「トランプ大統領と会談する際の椅子の座り方」にまで細かくチェックが入れられた。
しかしトランプ大統領の歓迎ぶりは、こうした「石破いびり」を吹き飛ばすには十分だった。その背後に、昨年12月にトランプ大統領と会食した安倍昭恵夫人の存在が見え隠れする。
昭恵夫人が果たした大きな役割
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