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キャリア50年の料理家が食べているリアルな3食 たどり着いたのは簡単調理 82歳の村上祥子さん

東洋経済オンライン / 2025年2月12日 7時30分

夫を見送って10年。「彼のものがあった部屋を改装して会計事務の部屋に作り替えました」という村上さん(写真:『料理家 村上祥子式 食べて生きのびる 食べ力』)

82歳の料理研究家・村上祥子さんは「ちゃんと食べてちゃんと生きる」をモットーに、日本国内はもとより、ヨーロッパ、アメリカ、中国、タイ、マレーシアなどでも、「食べ力(ぢから)Ⓡ」をつけることへの提案と、実践的食育指導に情熱を注いでいます。そんな村上さんの著書『料理家 村上祥子式 食べて生きのびる 食べ力』から一部を抜粋してお届けします。

電子レンジ調理に注目したのは40年前

私は現在82歳です。料理研究家として仕事を始めてから50年がたちました。

【写真】料理家 村上祥子さんの元気を支える「朝ごはんの定番セット」

大学では家政学部で食物学を専攻しました。食品成分表が面白くて夢中で読み込み、多くのことを学びましたが、栄養士の仕事にはそれほど魅力は感じていませんでした。卒業後、すぐに結婚。ちょうどその頃、管理栄養士の国家資格制度ができて、夫から取得を勧められたのですが、興味がわかずに、試験を受けることはありませんでした。

その後、社宅で夫の同僚の妻(アメリカ人)に日本の家庭料理を教えたのをきっかけに料理の先生になりましたが、1年後には夫の転勤で大分へ。4年後東京に戻り、「カリフォルニアアーモンド 料理コンテスト」に入賞。料理研究家としての活動の場が増えました。

母校の大学で栄養指導実習講座の非常勤講師になったときに、「栄養士養成学校で教える自分が資格を持っていないのはおかしい」と思い、猛勉強をして無事、管理栄養士の国家試験に合格。47歳のときでした。

栄養学の世界では、日々新しい情報が発信されています。最新の情報をいち早く得られるだけでもわくわくしますが、その知識をどうやって日常の料理におとしこむか、工夫を重ねてレシピを作り上げるのは、とてもやりがいのある仕事です。管理栄養士の資格を取ったことで、料理家としての仕事の幅が広がりました。

糖尿病治療食の開発段階で、電子レンジに着目したのは40年前。油控えめでも短時間でも美味しくできあがる電子レンジ調理に着目し、多くのレシピを開発してきました。ごはんも炊けて、味噌汁、煮物、焼き魚もできる電子レンジはシニアの個食にもうってつけ。まだまだアイデアはつきず、常に新作料理を考えています。

私生活では“よき相棒”として長年私の仕事を見守ってくれていた夫に先立たれて10年。一人暮らしも長くなりました。

今まで病気知らずで元気に過ごしてきましたが、ここ数年、40年前の慢性顎骨骨髄炎の手術後、歯の不具合が長引いて野菜が噛みづらくなったり、仕事場で滑って大腿骨を骨折をしたり、と体のトラブル、アクシデントも経験しました。私自身が「食べ力」の大切さを再認識している日々です。

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