1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

ソフトバンク、「AIに異次元投資」で浮上する焦点 自信満々の孫会長、OpenAIとも急接近

東洋経済オンライン / 2025年2月12日 7時0分

「OpenAIは大変な設備投資をしているけれども、まだ赤字じゃないか、大丈夫か、儲かるのか、回収できるのかという話があるが、たった1社の契約で年間4500億円入るんですよ。10社で4兆5000億円ですよ。ソフトバンクグループのような会社、世界に少なくとも100社以上あります。100社に100個のクリスタルを入れると、45兆円。ねえ、その頃になるとシステム費用だとかいろんなものを足しても十分に利益が出るようになる」

桁違いの計画を続々と披露

このわずか2カ月の間に、孫会長は異次元のプロジェクトを一気にぶち上げてきた。

昨年12月16日、アメリカ大統領選を終えたばかりのドナルド・トランプ氏と、突如として共同記者会見に臨んだ孫会長。ソフトバンクグループがアメリカに1000億ドル(約15兆円)を投資し、少なくとも10万人の雇用を創出すると発表した。

その際、トランプ氏は「1000億ではなく2000億ドルにする?」「2000億ドルの投資・・・・・・素晴らしい」と畳みかけ、得意の“ディール”を仕掛けてきた。それに対して孫会長は、「約束は100(ビリオンドル、1000億ドル)だ」「彼は優れた交渉者だ」と返すなど、一見すると社交辞令的に受け流したかに思われた。

それから1カ月後の今年1月21日、孫会長はOpenAIのサム・アルトマンCEOとオラクルのラリー・エリソン会長を伴い、大統領就任2日目のトランプ氏と再び会見に登壇。手土産に引っ提げてきたのは、今後4年間で5000億ドル(約75兆円)をアメリカ国内のAIインフラに投資するという、けた違いの計画だった。

Stargate Projectと称される新会社にソフトバンクグループとOpenAI、オラクル、アラブ首長国連邦アブダビ首長国の投資会社であるMGXが出資。トップには孫会長が就任し、財務管理をソフトバンクグループ、運営をOpenAIが担う。すでにテキサス州ではこのプロジェクトの一環として、データセンターの建設が始まっているという。

怒涛の発表で、いくつか気になる点も残る。まず、ソフトバンクグループの金策だ。

現預金や流動資産に含まれる短期投資などを合わせた同社の手元流動性は、2024年9月末時点で3兆8000億円。同社が重視する指標の「NAV(ネット・アセット・バリュー=保有株式価値−純負債)」は29兆円に上る。

もっとも、AI戦略でシナジーを最大化しようというこのフェーズで、NAVの大きな割合を占めるアームやソフトバンクといった重要な事業会社の株式を大規模に売りに出すわけには当然いかない。Stargate Projectが掲げる約75兆円という数字について、アメリカの実業家であるイーロン・マスク氏がSNSで「彼らは実際はお金を持っていない」と指摘する一幕もあった。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください