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京阪、地上から消えた京津線「三条―御陵間」の今 地下鉄開業で廃止、だが直通で広がった路線網

東洋経済オンライン / 2025年2月12日 6時30分

代わって地下鉄区間になった三条京阪―御陵間の途中には東山駅、蹴上駅が地下に置かれた。東山はレトロな味わいが人気の古川町商店街や祇園へ流れる白川が近く、平安神宮や京都国立近代美術館、京都市京セラ美術館、京都市動物園などが集まる岡崎エリアに徒歩でアクセスできる。

蹴上周辺は、京都と鎌倉の五山の上に位置づけられた南禅寺や、「インクライン」など京都の近代化を支えた琵琶湖疏水関連の史跡、村野藤吾の設計の名建築「ウェスティン都ホテル京都」が点在し、昔もいまも観光客の姿が目立つエリアだ。

現在は地下鉄に直通

京津線は御陵―びわ湖浜大津間に区間が短縮された一方、御陵を介して地下鉄東西線と直通運転する京阪の車両「800系」によって、太秦天神川―びわ湖浜大津間16.3kmが乗車約33分、乗り換えなしで移動できるようになっている。

京都市中心部から浜大津方面へ向かう場合、御陵までは地下区間、山科からは逢坂山を越える急勾配・急曲線区間、びわ湖浜大津付近では併用軌道とバラエティに富む。800系は4両編成で、地下鉄、山岳鉄道、路面電車の各区間をこなす3つの顔を持つ車両として知られる。かつて本線との直通運転用に開発された60型の現代版といえそうだ。

【写真】京津三条から御陵までは京都市営地下鉄東西線に取って代わられた。かつて東山三条、蹴上、九条山、日ノ岡、御陵の各駅があった地上の現在の様子は?

びわ湖浜大津では琵琶湖の西岸を南北に走る京阪石山坂本線(いしやまさかもとせん)と乗り換えができる。石山坂本線の南端は石山寺駅。その名の通り、紫式部と源氏物語にゆかりの石山寺がある。北端は坂本比叡山口駅。比叡山延暦寺へのケーブルカー乗り場や、日吉大社への玄関口だ。

【写真】「京都三条へ10分」とアピールする看板を掲げた、かつての京阪山科駅

ネットワークは拡大

京阪の広報担当者は「路線としては京阪本線と離れたものの、京都市営地下鉄東西線を介して嵐電や京阪電車鴨東線、その先の叡山電鉄へと接続し、ネットワークは広がっている」と説明する。

そのうえで「近年では、都市部の地下鉄、山岳鉄道、路面電車の『三刀流』路線として注目されている。京都市内各地と琵琶湖を直接結ぶ路線としての魅力を伝えるとともに、山科駅の『京の東の玄関口』化が実現すれば、山科から琵琶湖方面への観光ルートとしての利用もPRしていきたい」と強調する。

平安神宮や南禅寺など東山の観光地を訪れる機会があれば、かつて地上を走っていた京津線に思いを馳せてみるのもよさそうだ。

橋村 季真:東洋経済 記者

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