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茨城にある「リゾート風廃墟モール」の哀しい実態

東洋経済オンライン / 2026年2月14日 7時30分

「大洗リゾートアウトレット」のコンセプトは「リゾート」。施設だけではなく、周辺にある観光地を利用してもらい、地域に滞留するような仕組みをつくることを目指していた。

施設から徒歩圏内に、大洗マリンタワーや大洗サンビーチといった観光地があるのだ。筆者が訪れたのは冬場の平日だったため観光客の姿は少なかったが、シンボリックなタワーや広大なビーチは観光気分を楽しめ、リフレッシュできた。

そんなリゾート立地であることから、「大洗リゾートアウトレット」は南ヨーロッパのリゾートをモチーフにパームツリーなどの植栽を施して、「自然との調和」「高質感」「非日常空間」を創出した。海岸を周遊する遊覧船の「ダイビングパイレーツ」も運航し、子連れファミリーから人気を集めていたという。

競合の出現と震災被害

「大洗リゾートアウトレット」は大きな集客力を持ち、好調な滑り出しであった。茨城県の観光客動態調査によると、05年に374万人であった大洗町への入込客数は、「大洗リゾートアウトレット」がオープンした06年に584万人にまで増加した。

しかし09年7月、同じ茨城県内に104店舗を構える競合施設「あみプレミアム・アウトレット」がオープンした。

同年、「大洗リゾートアウトレット」は負けじと増床を実施。それまで若者をターゲットとしたテナント構成であったために客単価が伸び悩んだことを受け、増床部分には家族向けテナントをメインに15店舗をそろえた。

震災が廃墟化の引き金となった

「大洗リゾートアウトレット」が廃墟化する引き金となったのが、11年の東日本大震災である。津波で大きな被害を受け1階部分が浸水し、土砂のかき出しや電気系統の復旧作業に追われた。営業を再開できたのは、約4カ月後だった。

大洗町に来る観光客も激減し、入込客数は298万人にまで落ち込んだ。

翌年、12年10月から大洗町が舞台のテレビアニメ「ガールズ&パンツァー」が放送され、聖地巡礼で町に賑わいが戻ってきた。

「大洗リゾートアウトレット」にもグッズなどを展示したガルパンギャラリーがつくられ観光客が訪れたが、経営は厳しいままであった。

さらなる競合と経営の悪化

追い打ちをかけるかのごとく、13年4月に千葉県北部で「酒々井プレミアム・アウトレット」がオープン。こちらは121店舗をそろえていた。

ほかにも、東京近郊に次々と大型のアウトレットモールが建設された。「大洗リゾートアウトレット」は茨城県内のみならず、東京、千葉、埼玉、栃木などからの来店を狙っていたが、より都市部に近い競合に客足を奪われてしまったのである。

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