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「トラックだらけのカオス」夜の高速SA・PA駐車場に“秩序”もたらすか? 全国初の新駐車方式とは

乗りものニュース / 2024年4月8日 18時12分

トラックがほとんどな深夜の新東名。写真はイメージ(乗りものニュース編集部撮影)。

NEXCO西日本がSA・PA駐車場の大型車について“新方式”の導入を山陽道で検討しています。駐車マスを増やしても増やしても、夜間はトラックであふれてしまう現状に、別のアプローチは効果を発揮するでしょうか。

山陽道に導入する全国初の「複数縦列式」

 NEXCO東日本・NEXCO中日本・NEXCO西日本は2024年4月2日、高速道路のSA・PA駐車場における大型車マスの2024年度拡充計画を公表。そのなかで、全国初の新方式の導入をNEXCO西日本が検討していることを明記しました。

 3社は夜間時間帯の大型車マスを中心とした駐車マス不足に対応すべく、2024年度も全国のSA・PAで大型車マスを約560台ぶん拡充する予定です。しかし、各エリアの敷地は限られることから、路外の駐車場や立体構造化など、別の方式も検討するとしています。

 なかでも具体的に発表されたのが、「複数縦列式(コラム式)駐車場」というもの。NEXCO西日本が山陽道の佐波川SA下り線(山口県防府市)で整備を検討しているということです。

 同方式は、「ドイツのアウトバーンなどにおいて採用実績がある駐車方式であり、出発時間別に縦列駐車するレーンを設けることで、駐車マスを効率的に配備することを目的にした方式」と説明されています。

 出発する時刻ごとに車両を複数台、縦列駐車させるといった制御が必要で、ドイツにおいては駐車チケットを発券したり、駐車マスの頭上に出発時間を表示するなどして、ドライバーに伝えているそうです。NEXCO西日本によると、レイアウトや方式も検討中であり、具体的に台数がどれだけ増えるかは未定としました。

 ただ、駐車マスに停められないトラックがエリア内外のありとあらゆるスペースに駐車している無秩序な深夜の現状を解決する可能性もあります。

 というのも、深夜帯における大型車の駐車マス不足は、長時間駐車が混雑の主要因であることが分かっているからです。

「出発時間が分からない」からカオスに?

 深夜のSA・PAでは、駐車マスが埋まると、今度は駐車中のトラックの後ろに横付けする形で、通路に縦列駐車するという光景が見られます。通路に停めるトラックとしては、「どうせ長く止めるし、(駐車マスに入っているトラックは)前から出られるからいいでしょ」というわけです。

 NEXCO西日本は以前、縦に2マスをつなげて整備した大型の縦列レイアウトでも同じことが起こり、結局、出られなくなるトラックもあったと話しました。

 この問題を解決するため、いち早く、佐波川SAの上り線に導入したのが、駐車マスの「V字レイアウト」でした。

 車両はバックで入庫、V字の反対側の車両とお尻を向き合わせて駐車する形になり、それぞれ前進で出庫します。これならば「間違いなく前進で出庫するとわかる」ため、通路への駐車も防げると考えたと話していました。

 こうした状況に対し、今回の「出発時間ごとにびっちり列をつくる」複数縦列式ならば、「どうせ長く停めるし……」とはならないかもしれません。NEXCO西日本は複数縦列式について、あくまで駐車マスの効率化・最大化が主眼にあるとしつつ、「長時間の休憩をされたいのか、短時間の駐車か、ニーズに応じて振り分けることになる」と話しました。

 NEXCO各社は近年、駐車マスを増やすことだけでなく、このように駐車場内へ“時間”の概念を導入するアプローチも試みています。2023年11月から順次導入されている60分以内の「短時間限定駐車マス」なども、その一環でしょう。

 さらに、中長期的な試みとして、一定時間以上の利用の「有料化」を視野に入れています。駐車マスの効率化と時間の概念を取り入れることによる整流化の双方を図る複数縦列式も、その試金石になるかもしれません。

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