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関東ー東北の「最も険しいルート」にズドンとトンネル 夢の“会津直結”なるか 壮大バイパス計画はいま

乗りものニュース / 2024年5月23日 8時12分

国道121号「日光川治防災」パンフレットより。右上が五十里ダム、左上が川治ダム。その間を貫く野岩鉄道に並行して新トンネルを建設する(画像:宇都宮国道事務所)。

関東と東北を結ぶ幹線ルートで最も険しい地形をゆくルートが「会津西街道」です。この歴史ある街道で、高規格のバイパス計画が進行中。ダム湖沿いの現道を一気にバイパスするトンネルは、難工事となっています。

東武特急が走る鉄路に並行する長大トンネル

 東武線・野岩鉄道・会津鉄道に沿って栃木県と福島県会津地方を結ぶ「会津西街道」。このルートには、栃木県側の日光宇都宮道路と、福島県側の磐越道とを結ぶ「栃木西部・会津南道路」と呼ばれる高規格道路の構想があります。
 
 2024年3月には、その福島県側のバイパス「会津縦貫南道路」初の区間として「小沼崎バイパス」1.5kmが開通。他に2区間およそ20kmの建設も進んでいます。

 一方の栃木県側で進んでいるのが、鬼怒川上流の“ダム銀座”に新たなトンネルを通す国道121号「日光川治防災」です。

「日光川治防災」は、野岩鉄道沿いの川治温泉から五十里ダムにかけて、大部分をトンネルとする3.4kmのバイパス事業です。落石、倒木、土砂流出などの災害危険箇所が集中し、クネクネと狭い現道を一気にバイパスすべく、2019年度、栃木県側の他区間に先駆けて事業がスタートしました。

 そのルートは、五十里ダムと川治ダムに挟まれた山間部を抜けるもので、野岩鉄道の葛老山トンネル(4250m)に並行。そのほか県道の葛追トンネル、さらに川治ダムと五十里ダムを結ぶ導水トンネルが横切り、これらとバイパスのトンネルが近接します。

 技術的難易度が高いことから、国の直轄権限代行事業になりましたが、地質調査を経て、過去に大規模崩落が起きた箇所でトンネル掘削時の崩落対策について技術的な検討が必要な状況となっています。

 さらに、全区域が国立公園内であるほか、約7割の区間が国有保安林に指定されているといいます。2023年12月の連絡調整会議の時点で、工事着手までに森林法による保安林解除に約3年、自然公園法による国立公園内の工作物新築許可に約1年、河川法による河川協議に約1年(いずれも類似事業の実績)必要とされ、工事着手までにまだ時間がかかるようです。

 会津西街道は関東と東北を結ぶルートでは最も西に位置し、太平洋と日本海の中間、すなわち本州の背骨を縦貫しています。栃木と会津はもちろん、新潟や山形方面の連絡にも活用されるルートの改良は、少しずつ進んでいくようです。

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