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ステルス戦闘機F-35の致命的な弱点とは? 自衛隊も導入中の新鋭機、ようやく解決策が登場

乗りものニュース / 2025年2月5日 16時12分

アメリカ空軍のF-35A「ライトニングII」戦闘機(画像:アメリカ空軍)。

航空自衛隊も導入を進める最新ステルス戦闘機F-35の最新型「ブロック4」が2024年から引き渡しを開始しました。ただ、F-35にも欠点があるとのこと。とはいえ、そこをカバーするためのアダプターが開発されている模様です。

搭載するミサイル増やしたい、でもステルス性は落としたくない

 日米をはじめ、西側諸国の標準戦闘機となりつつあるロッキード・マーチン製のF-35「ライトニングII」が、新たな進化を遂げようとしています。なぜなら、新モデル「ブロック4」の引き渡しが2024年から始まったからで、世界中の軍事関係者の注目を集めています。

 とはいえ、ブロック4は単なるマイナーチェンジではありません。F-35の頭脳にあたるコンピューターシステムが全面的に刷新され、その能力は飛躍的に向上しているほか、将来にわたり段階的にアップグレードが施されていく計画です。今後、特に注目すべきは、F-35の弱点とされてきたペイロードの少なさを克服する「サイドキックアダプター」と呼ばれるシステムの開発が進んでいる点です。

 F-35は、その高いステルス性能と先進的なセンサー、そしてネットワーク戦能力を誇る第5世代戦闘機として知られています。ただ、高いステルス性を維持するためにはミサイルや爆弾などを胴体内の「ウェポンベイ(兵装庫)」に収容する必要があります。

 兵装搭載量を重視する場合は各種兵装を機外搭載することも可能ではあるものの、これらはレーダー反射を増やす元凶となります。これだと、同機が本来持っている高いステルス性が損なわれてしまうため、高い脅威が想定される場合やステルス性を重視した戦術をとる場合は、機外搭載は諦めるしかないのが現状です。なお、機内のみに兵装を搭載した場合、空気抵抗の増加がないため、高い飛行性能を維持することが副次的ながら可能です。

 非公式ながら機外に兵装を搭載した状態を「ビーストモード」、兵装を機内に収容した状態を「ステルスモード」と呼び分けることもあります。ただ、後者のステルスモードの場合、制空ミッションであればAIM-120「アムラーム」中射程空対空ミサイルを4発しか搭載することができません。

サイドキック化で空戦能力はF-22並みに

 近年、西側諸国は従来の「対テロ戦争」から、比較的大規模な「国家間戦争」への備えに軍備をシフト(再編成)しており、大規模な空軍同士が戦うような状況も想定されるようになりました。この場合、F-35のステルスモード時におけるミサイル搭載量の少なさは、欠点のひとつになるでしょう。

 そうした、兵装搭載量の少なすぎる欠点の解決策として開発されているのが、サイドキックアダプターです。このシステムは、F-35のウェポンベイのドア部にあたる兵装搭載ステーション5/7に対して空対空ミサイルを連装で搭載できるようにするもので、これによりF-35は「ステルスモード」においても、AIM-120のような中射程空対空ミサイルを6発搭載することが可能になります。これにより、F-35の空戦能力を50%引き上げられると考えられています。

 一例を挙げると、F-22「ラプター」の兵装搭載量はAIM-120が6発、自衛用の短射程空対空ミサイルAIM-9「サイドワインダー」が2発なので、中距離空対空ミサイルに限れば、サイドキックアダプターを付けたF-35は、F-22に匹敵する能力を得ると言えるでしょう。

 F-35 ブロック4に対して、サイドキックアダプターがいつ追加されるのか、それについては現在のところ未定ですが、ブロック4アップグレードの完了目標は2029年なので、性能向上が順調に進めば2020年代中に実用化される可能性は高いです。

 なお、サイドキックアダプターが取り付け可能なのは通常離着陸型のF-35A、および艦載型のF-35Cだけです。垂直離着陸型のF-35Bは「リフトファン」を胴体中央に備えている影響で、ウェポンベイの容積がやや小さくなっていることから、対象外となります。

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