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【週末映画コラム】投資や株のことがあまり分からなくても楽しめる『ダム・マネー ウォール街を狙え!』/小児がんの少女がまいた種とは『神さま待って!お花が咲くから』

エンタメOVO / 2024年2月2日 7時0分

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『ダム・マネー ウォール街を狙え!』(2月2日公開)

 コロナ禍の2020年、米マサチューセッツ州の会社員キース・ギル(ポール・ダノ)は、全財産の5万ドルを、実店舗でゲームソフトを販売する「ゲームストップ社」の株につぎ込んでいた。

同社は、もはや時代遅れで倒産間近とうわさされていたが、キースは「ローリング・キティ」という名で動画を配信し、同社の株が過小評価されているとネット掲示板で訴え続けた。

 すると、彼の主張に共感した市井の個人投資家たちがゲームストップ社の株を買い始め、翌年初頭に株価は大暴騰し、同社を空売りしてひともうけを狙っていた大富豪たちは大きな損失をこうむった。この事件は連日メディアをにぎわせ、キースは一躍時の人となるが…。

 社会現象となった「ゲームストップ株騒動」にまつわる実話を映画化。ベン・メズリックのノンフィクションを基にクレイグ・ギレスピーが監督し、事件の内幕を描く。

ピート・デビッドソン、ビンセント・ドノフリオ、アメリカ・フェレーラ、シャイリーン・ウッドリー、デイン・デハーン、セス・ローゲンらが共演。

 まず、2020年9月から翌年の2月までに起こった出来事を、すぐさま映画化してしまうという素早さには恐れ入ったが、株取引の世界は複雑で難解なので、例えば『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(13)や『マネー・ショート 華麗なる大逆転』(15)のように、どうしても説明が多くなり、その分テンポも悪くなる。株取引はドラマチックなので映画向きかと思われるが、実は映画にはしにくい題材だと思う。

 ところが、この映画は、コロナ禍という特殊な状況下、情報のやり取りはネットの掲示板やSNS、株取引はパソコンやスマホで行うという現状を見せながら、主人公のギルを中心に、実際に株の売買に参加していた女子大生や看護師、ゲームストップの実店舗に勤める従業員といった市井の人々と投資家たちの動静を並行させ、テンポよく描いている。

 それ故、庶民(個人)対富豪の闘いという図式が分かりやすく示され、しかも留飲が下がる逆転劇でもあるので、投資や株のことがあまり分からなくても楽しめる映画になっている。株取引を扱った映画にしては、よく整理されているという印象を受けた。ギルを演じたダノの怪演も光る。

『神さま待って!お花が咲くから』(2月2日公開)


 小児がんで幼い頃から入退院を繰り返してきた11歳の少女・森上翔華(新倉聖菜)は、主治医の脇坂(北原里英)の許しを得て、6年生の1学期から再び学校へ通うことに。

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