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「大きなスクリーンでこの大自然を楽しんでもらえたら」「いい時代の邦画の匂いを感じていただけたら」杉田雷麟、寛一郎『プロミスト・ランド』【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年6月26日 9時0分

-ロケがすごく大変だったという想像はつきますが…。

杉田 僕は、『山歌』(22)という映画で山での撮影は経験済みでしたし、実家は栃木なので山には慣れていると思っていたんですけど、雪山となると全く話が違いました。ただ、撮影地まで1時間かけて歩いて行ったりする時間もとても貴重だと思って、すごく楽しかったです。撮影をしながら自然と共存していると心の底から思えたし、すごく環境に恵まれたと思います。

寛一郎 大変でした。インの日はものすごく寒かったんです。しかも僕らが着ていたのは80年代の服ですから、防寒機能もあまりなくて。震えるぐらいの寒さで、こんなに寒いなんて聞いてないってなって。ところが、次に山に入ったのが3日、4日ぐらい後だったんですけど、そこからはもう暑過ぎて…。たまたまインの日が悪天候だっただけなんです。でも最初に洗礼を浴びたというか、本当に凍えそうな中で、山で合宿するみたいな感じになって。ああいう経験は普段はあまりできないし、東京で撮影するのと自然の中で撮影するのとでは違います。さらに山で撮影するのはもっと違いました。いい経験でした。

-今、熊が街に出て来て話題になっていますが、その熊を獲物にするマタギを演じてみてどう感じましたか。

杉田 僕は、マタギについては今回現地で少し触れたぐらいなんですけど、熊の皮をお尻に敷くものにしたり、内臓を薬にしたり、肉はちゃんと食べて…。本当に何も無駄にすることなく全部使っていると知りました。すごく熊に対して敬意があるというか、共存しているという印象を受けました。

寛一郎 その文化を外から見た人の印象と、内にいる人の感覚というのは全く違うと思います。僕は撮影の1年前に実際に二つの猟友会の方々と会って一緒に山に登ったんです。その年の最後の熊狩りに同行して、結局熊は見つからなかったんですけど、その後で一緒に食事をして、熊を撃つ感覚とはどういうものなのかを聞いてみました。要するに、僕らとしては、熊狩りというのは神秘的で、熊と共存し、熊に祈りをささげて…と、すごく高尚なものだと思っていたんです。でも、マタギの人は「熊をぶて(撃て)りゃいい」と。それはただ熊を殺したいとかではなく、それすらも当たり前のことで、彼らは熊を撃つことだけが楽しみなんだと。僕もマタギの意味や意義は調べましたが、受け継いでいる人たちはそこではなく、本能的にそれが習慣となっているというギャップは感じました。結局、マタギを経験して自然と共存する、のようなイメージは、もしかしたら外から見た人の感想で、そういうことも含めて、実際にやっている人たちと、自分も含めて外から見た感じとでは違うのではということに気付きました。

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