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全国の刑務所や少年院でも上映! ドキュメンタリー映画『おまえの親になったるで』 草刈健太郎さん「元犯罪者の更生は“誰かがやらなあかん”」【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年6月28日 8時0分

-実際に活動を始めて元受刑者の方と関わっていく中で、どんなことを感じましたか。

 人を殺したら命は帰って来ないので、やっぱり罪なんか償えないと僕は思うんです。でも、加古川市の播磨学園という少年院に行って、初めて少年院の子たちとガチンコでしゃべったときに、人を殺した人間ばかりではないけれど、この子らを放っておいたら、いつか人殺しをするなと思ったんです。「足し算も掛け算もできへん」と言うし、僕も「お前ら、足し算もできなかったら悪いことをするしかないやんけ」と言って、「職親プロジェクト」の会議に来ていた公文式の方に「少年院に行って公文をやってほしい」とお願いして導入してもらいました。そうしたら足し算ができなかった奴が微分・積分までできるようになって年々レベルが上がっているんです。少年院に入るやつは負けず嫌いが多いですし、みんな頑張って勉強しています。これは更生とはまた別の話ですが、いつか彼らの役に立つと信じて、支援の一つとしてやっています。

-ドキュメンタリー映像の中で、元犯罪者の少年が、子どもの頃に実母が薬物依存で暴れていても「そんなお母さんでも大好きだった」と嘆くシーンがありました。今活動をされている中で、犯罪を犯すところまでいってしまう子と犯罪を犯さない子の違いや、根本的な問題点はどこにあると感じますか。

 親がおるのとおれへんのとでは、悪いことをするときのレッドラインの超え方が違うなと思います。0か1か、俺は世の中から見捨てられているから、もうどうでもええわ、ここまで悪いことをしてもええねん、みたいな考え方の人は親にしても友達にしても止める人がいないなと思います。親がいないのにいるといったり、うそばかり付くし、もうずっとそういう虚言癖で育ってきた子もいますね。“何が本当か”を誰も教えてくれなかったんだと思います。だから自分でも分からない。ある子は人に優しくされたことがなくて、僕に「それだけ優しくされたらしんどい」と言う子もいました。



-刑務所を出所した人の4割が5年以内に再び刑務所に戻るとも聞きます。草刈さんが “親”として愛情を注いでも、仕事に行かず逃亡したり、窃盗、薬物、詐欺などの犯罪に再び手を染める人も少なくありません。こうした支援を続けることは、実の親でも逃げてしまいたくなる瞬間があるくらい大変だと思いますが、続けられている理由を教えてください。

 僕も子どもの頃は放ったらかされて育ったので、刑務所に入ったことはないのですが、今の時代だったら少年院に入っていたかもしれないですし、姉がものすごいヤンキーで学校を退学になったり、そういう姿や苦労を見てきているので“放っておいたらあかん”“誰かがやらなあかん”という思いがあります。

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