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「これは江戸時代のアイヌの話ではなく、今に通じる話だということです」寛一郎、緒形直人『シサム』【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年9月12日 15時50分

-今回アイヌに触れてみて改めて感じたことを。

緒形 一番大きいのは、彼らの思想的、宗教的なところです。自然と人との共存の仕方、人の受け入れ方というのは、僕らが学ばなければいけないと思いました。彼らは争うことは極力しなかったし、多様な文化を持ち、自分たちの必要なものしか取らないし、搾取もしない。みんながそうであれば、もしかしたら幸せになれるかもしれない、そういう彼らの精神性みたいなものを僕らは知った方がいいと思いました。厳しく豊かな自然の大地の中で、彼らはそういう生き方を見つけ出して、周りにあるもの全てを神とあがめたり、自然に対する畏敬や畏怖みたいなものも彼らには備わっていて、誇らしい人たちだなと思います。彼らの生き方や、日本の先住民である北海道にいたアイヌの人たちがこういう暮らしをしていたということも、今多くの日本人が知るべきではないかと思います。

-この映画の意義は。

寛一郎 文化を未来に残していくという意義があると思います。アイヌという文化がだんだんと消えつつあり、アイヌという存在自体を知らない人たちもいる中で、この映画を入り口として、アイヌのことを知ってもらうきっかけになれればいいと思います。今もまだこういった問題は世界中で起きています。未来に対して解決の方法を模索していかなければならない。そのための何かを知るきっかけになる映画になってくれればいいと思います。

-最後に観客に向けて一言お願いします。

緒形 見ていただいてどんなことを感じていただくかというのは、こちらも楽しみにしているところです。日本にこういう先住民族がいたんだというところと、この人たちの思想や行動をどのように受け取るか。それは人それぞれです。でも、アイヌ文化がきっちりと根付いていたというところも見てほしいし、映画全体を見て、それぞれの意見で、きちんと判断してほしいと思っています。

寛一郎 こういう人たちがこの地にいたということを知るきっかけになる映画であってほしいということと、これは江戸時代のアイヌの話ではなく、今に通じる話だと思っています。

(取材・文・写真/田中雄二)


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