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森崎ウィン「自分と同じミャンマー出身の役がありがたかった」荻上直子監督「この役は森崎さんしかいないと」奇想天外な物語の舞台裏『まる』【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年10月17日 12時0分

-荻上監督は、堂本さんを主演にした理由について「テレビで見た堂本さんがつらそうな様子に興味をひかれた」と語っていますが、荻上監督の作品は『かもめ食堂』から最近の『波紋』(22)まで、「生きづらさからの逃避」というモチーフが共通している気がします。その点、この作品では生きづらさを感じている沢田の逃避先がモーだと感じました。そういうものを自覚的に描いている部分もあるのでしょうか。

荻上 そうですね。私も含め、今の世の中、生きづらさを感じている人は多いと思いますし。

-その点に共感する人は多い気がします。森崎さんはどんな印象を?

森崎 高い目標を掲げ、手に入れたいものがあるからこそ、何かあると、生きづらさを感じたり、「うまくいかない」という言葉が出てきたりするんですよね。そういう意味では、生きづらさを感じるのは、決して悪いことではないのかなと。それでも、どうしてもつらくなったときは、世界に目を向け、いろんな境遇の人たちがいることを考えてみると、今の自分に満足できる瞬間もあるのではないでしょうか。それが、「円満具足」ということかもしれません。

-なるほど。

森崎 沢田さんについて僕が思ったのは、コンビニでモーくんと一緒にいるときだけ、彼はアーティストでいる必要がないんですよね。それが沢田さんにとって、「自分はこのままでいいのかな」と思える瞬間だったんじゃないかなと。モーくんを外国人にした意味は、そこにある気がします。日本人の固定概念に捉われず、世界に目を向けてみようよ、というメッセージが込められているのかなと。

荻上 森崎さんのお話を聞いて思い出したのが、私がアメリカに留学したときのことです。当時は私のほかにも、韓国や中国の方がいましたが、欧米の人たちから見れば全員、アジア人なんですよね。私は皆さんと親しくしていたんですけど、そんなに近い国同士が、ことあるごとにいがみ合うのは、ナンセンスだなと思って。世界に目を向けることは、大切ですよね。

森崎 でも、完成した映画を見た時、それくらい僕も考えさせられましたし、この作品に参加できたことがうれしかったんです。きっと僕にとって一生残る作品なので、ぜひ映画館でご覧いただけたらうれしいです。

荻上 ありがとうございます。実は今回、久しぶりに16ミリフィルムで撮影しています。というのも、私が意図した「ダークで笑える作品」には、フィルムのザラッと感じがぴったりな気がして。それをぜひ、映画館でご覧いただきたいです。

森崎 フィルムの味をしっかりと、映画館のスクリーンで味わってください!

(取材・文・写真/井上健一)


『まる』 10月18日(金)ロードショー

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