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風間俊介「僕は自分の黒いところも好き」 タブーに挑んだ衝撃作「モンスター」で見せる光と闇【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年10月29日 8時0分

-誰にでも光と闇はあると思いますが、風間さんは自分の中の闇をどのように受け止めて、どう対処しているのですか。

 僕は自分の黒いところも好きなんです。僕の役者としての系譜を振り返ってみると、若かりし頃はダークサイドを描いた役をたくさん演じ、30代になってからは、光が当たっているキャラクターを多く演じさせていただきました。どちらの役もやらせていただいたことで、良い人と呼ばれる役を演じるときに、この人の闇はどこにあるんだろうと探すようになったんです。逆にダークサイドを描いた役を演じるときは、この人の光はどこにあるんだろうと考えます。なので、僕自身も自分の中のダークサイドは大切にしてあげたいと思っています。どうしてもこうしてお話をさせていただくときや人前に立たせていただくときは、きちんとした発言をしようと思い、光が当たっている面をお見せしていると思いますが、色濃く闇を持っている人間なので、それを垣間見ていただけるのが演劇やドラマ、映画です。

-本作は、ディスコミュニケーションを描いた作品でもありますが、風間さんが人とコミュニケーションを取る上で大切にされているのはどのようなことですか。

 「決めないこと」ですね。例えば、ここで「僕のコミュニケーションはこれです」と言ってしまったら、その時点で霧のように消えていってしまうように思います。僕は、人によってコミュニケーションの仕方を変えますし、「その時々で違う」というのが僕の矜持(きょうじ)です。「あの人は誰に対しても態度を変えない」というのが美徳とされている世の中ですが、僕はそれが分からなくて。人によって態度を変えないとコミュニケーションは成り立たないのではないかと思います。

-現場や稽古場では積極的に話しかけるタイプですか。

 人と話すことはすごく好きなので、話しかけると思います。ただ、僕がたくさん話すのは最初のコミュニケーションのときで、仲良くなって安心すると、それほど多く話さないかもしれません。そんな自己分析をしています。

-劇中に登場するダリルは14歳の少年ですが、風間さんが14歳のときはどんな少年でしたか。

 仕事を始めたくらいの年齢ですね。すごく斜に構えていました(笑)。どこか大人の社会を垣間見るのが好きな少年だったように思います。職員室もすごく好きでした。先生方も家に帰れば教師ではなくなるというのが面白いなと。僕の目の前では、教師という役柄を持っているけれども、きっとこの人も別の場所に行ったら全然違う顔を見せるんだろうなと、そんな目で先生のことを見てしまう少年でした。

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