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「見ている人にとって、兵士郎が自己投影できるような役になるといいのかなと思いました」仲野太賀、「この映画を見て仲野太賀みたいな役者になりたいと思う人が絶対に出てくると思います」白石和彌監督『十一人の賊軍』【インタビュー】

エンタメOVO / 2024年11月2日 19時10分

仲野 今監督がおっしゃったように、人間の感情は昔も今も変わらない。でもフィクションというか、ファンタジーというところが現代への逆説的なメッセージとして届いたらいいなと。やっぱり生きるとか死ぬとか、斬る斬られるという究極の状態が体現できるのは時代劇ならではだと思います。戦争ものとかでもそれはあるんですけど、時代劇にはそこに美学や美意識があります。それを踏まえた上での表現は、なかなか他ではできない魅力があると思います。時代劇ならでは様式美もあるし、今回みたいなどろどろになる戦もある。そういう振れ幅の広さみたいなものが現代劇よりもあるのかなと思います。

-この映画の役割についてどう思いますか。

白石 僕は、基本的にはいつもエンタメとして映画を作っているので、作るたびにやっぱり自分はエンタメをやりたいんだということを自覚するんです。この映画が日本の映画界でどういう役割を果たすのかは分かりませんが、集団抗争時代劇を作れるチャンスはなかなかないので、「時代劇はまだまだいけるぞ」と海外の人たちにも興味を持っていただける作品になって、「時代劇やろうぜ」という起爆剤になってくれるとこんなにうれしいことはないです。あとは、この映画を見て仲野太賀みたいな役者になりたいと思う人が絶対に出てくると思います。

仲野 そう言っていただけるとすごくうれしいです。

(取材・文・写真/田中雄二)


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