「光る君へ」第四十六回「刀伊の入寇」 「源氏物語」を書き上げたまひろは、本当に「終わってしまった」のか【大河ドラマコラム】
エンタメOVO / 2024年12月6日 16時52分
NHKで好評放送中の大河ドラマ「光る君へ」。12月1日に放送された第四十六回「刀伊の入寇」では、大宰府への旅に出た主人公まひろ(吉高由里子)の姿が描かれた。
前回、「源氏物語」を書き上げたまひろは燃え尽き症候群に陥ったように、藤原道長(柄本佑)に申し出て、旅に出た。続くこの回では、訪れた大宰府で20年ぶりに再会した周明(松下洸平)に「私はもう、終わってしまったの」とこぼしていた。だがこの回では、そんなまひろのネガティブな気持ちを打ち消すように、人生の深みを感じさせるせりふがいくつも飛び出した。
周明に案内されて訪れた太宰府の政庁で、大宰権帥として赴任していた藤原隆家(竜星涼)のもてなしを受けるまひろ。その際、都で負傷した目の治療を大宰府で受け、視力が回復した隆家は、まひろにこう告げる。
「目が再び見えるようになったら、違う世が見えてきた。内裏のような狭い世界で、位を争っていた日々を、実にくだらぬことであったと思うようになったのだ」
私たちも、同じことを繰り返す日常に行き詰まったとき、環境を変えることで視点が変わり、新たに気付くことも多い。そんなことを思い出させてくれる言葉だった。さらに隆家は、こう付け加える。
「いくら栄華を極めても、病には勝てぬ。それが、人の宿命だ」
シンプルに「健康第一」ということだが、これまで劇中で志半ばにして早逝した藤原道兼(玉置玲央)や一条天皇(塩野瑛久)、三条天皇(木村達成)のことを思い出すと、この言葉がより実感を伴って迫ってくる。
一方、大宰府から遠く離れた都で繰り広げられた藤原倫子(黒木華)と赤染衛門(凰稀かなめ)のやりとりも心に残った。夫・道長の栄華を書き残してほしいと倫子から依頼を受け、執筆を開始した赤染衛門。ところが、赤染衛門が書き始めた物語を読んだ倫子は、「これ、宇多の帝から始まっているわ。殿がお生まれになるより、はるかに昔だけれど…」と尋ねる。この言葉に赤染衛門は「藤原を描くなら、(7世紀中頃の)大化の改新から書きたいくらいにございます」と前置きした上で、次のように力説する。
「『枕草子』が亡き皇后・定子さまの明るく朗らかなお姿を描き、源氏の物語が人の世の哀れを、大胆な物語にして描いたのなら、私がなすべきことは何か、と考えますと、それは、歴史の書であると考えました。かな文字で書く史書は、まだこの世にはございませぬ。歴史をきちんと押さえつつ、その中で太閤さま(=道長)の生い立ち、政の見事さと、その栄華の極みを描き尽くせば、必ずや、後の世までも読み継がれるものとなりましょう」
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