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深川麻衣 主演のスリラー映画は「今までありそうでなかった着眼点」“ムラ社会”のダークサイドをえぐる『嗤う蟲』【インタビュー】

エンタメOVO / 2025年1月21日 13時57分

-なかなか難しそうなお芝居ですが、『愛がなんだ』(19)でも共演した若葉竜也(杏奈の夫・輝道役)さんとお芝居について相談した部分もあるのでしょうか。

 夫婦の会話については、映画を見ている方により親近感を覚えてもらえるように、若葉くんと監督と相談し、セリフをより日常的な言い回しに変えている部分があります。最初は物語が静かに始まり、そこからじわじわと緊張感が高まっていくので、夫婦間の空気感やリアクションを丁寧に作っていかなければと思っていました。また、撮影に入る前、若葉くんと「(ほかの村人役の)皆さんのキャラクターが濃い分、受けの芝居が多い自分たちは自然体で受けていったほうがいいね」という話もしていたので、そこは常に意識していました。



-その点、田口トモロヲさん演じる村の自治会長・田久保や、杉田かおるさん演じる田久保の妻・よしこをはじめ、村人たちのキャラクターが強烈でした。皆さんとのお芝居の中から生まれた部分も大きいのでしょうか。

 そうですね。追い詰めてくる相手の気迫や行動に対してリアクションを取っていくので、皆さんのお芝居がなければ成立しませんから。田久保夫妻は、張り付いたような作り笑顔が、とても不気味で怖かったです。完成した映画を見てもその迫力は伝わってきました。お二人と一緒に食事するシーンでは、表面上は優しそうなのに、ねっとりとした嫌な空気がずっと流れているような感じでした。

-おっしゃる通り、田久保夫妻の不気味な存在感が際立っていましたね。

 その一方で、完成した映画を見て思わず笑ってしまったのが、田久保さんがピストルを持った相手に追いかけられる場面です。田久保さんが家に逃げ込もうとしたとき、悲鳴を聞いて出てきたよしこさんが、身を守ろうとして思わず玄関を閉めてしまうんです。締め出されてしまった田久保さんが、すごく滑稽で。そういう必死さが滑稽に見えるところも、人間味があって面白かったです。

-城定秀夫監督は『アルプススタンドのはしの方』(20)、『女子高生に殺されたい』(22)など多彩な作品を手掛けてきた方ですが、城定監督の現場はいかがでしたか。

 城定監督は幅広い作品を手掛けているので、以前からぜひ一度、ご一緒してみたいと思っていたんです。実際にご一緒してみたら、現場での判断が非常に的確で無駄がないので、撮影がとても早く進んで。それなのに、お芝居もしっかり見てくださったので、ご一緒できてうれしかったですし、とてもいい経験になりました。

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