インフル予防の緑茶は飲むのが良い? うがいが良い?

ウェザーニュース / 2019年2月19日 11時55分

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2月15日(金)に厚生労働省が発表した2月4日〜10日までのインフルエンザ患者報告数(定点医療機関約5000ヵ所)は98.3万人と、最も多かった2週間前の222万6000人から半分以下になりました。

しかし、依然として警報レベルを超えている保健所地域は全国で496ヵ所あります。また、例年、インフルエンザはA型の流行が先行し、A型が一段落したらB型が流行ることが多く、引き続き油断はできない状況です。

みなさんはどのような予防策をとっていますか。以前から言われている緑茶によるインフルエンザ予防。飲むのが良いの? それとも緑茶うがいが良い? それぞれの効果について取材しました。

茶カテキンでインフル発症割合が低下!

「インフルエンザウイルスの表面にはタンパク質の突起があり、この突起を活用してウイルスは喉などの細胞に付着します。

緑茶に含まれるポリフェノールの一種であるカテキンは、この突起に取り付くことによってインフルエンザウイルスがヒトの細胞に吸着するのを阻止したり、細胞内での増殖や細胞外への感染拡大を阻止します。これは、細胞レベルの研究で確かめられていることです」

このように話すのは、静岡県立大学薬学部教授・健康支援センター長の山田浩先生です。

山田先生たちの研究グループは、老人ホームの入居者を対象に1日3回3ヵ月間、茶カテキンのうがいを行った場合の効果を調べたところ、茶カテキンによるうがいを行った群のほうが行わなかった群よりインフルエンザの発症割合が低いという結果が出ました(J Altern Complement Med, 12: 669-672, 2006)。

「このときのカテキンの濃度は、市販のペットボトル飲料の半分くらいです。家庭で用意したお茶でも1日3回のうがいを続ければ同じような効果が期待できます」(山田先生)

さらに、緑茶うがいと水道水でのうがいの違いについても、山田先生は複数の研究を行っています。実際、緑茶うがいをした場合には、水道水のうがいよりもインフルエンザの発症割合が低くなる傾向がみられています。ただし、統計学的に意味がある差はみられていません。

「もともと水道水でのうがい効果が期待されるため、緑茶うがいとの比較で統計学的に意味を出すには、さらに多数のボランティアに協力してもらう大規模研究が必要と考えています」(山田先生)

緑茶のカテキン以外の効果とは?

最近の研究では、カテキン以外にも、緑茶に含まれる成分が抗ウイルス作用をもたらすことが明らかにされています。カテキンと同じくポリフェノールの一種であるストリクチニンには、インフルエンザウイルスの増殖阻害作用があることが細胞レベルの実験で明らかになりました(Antiviral Res 88: 10-8, 2010)。

さらに、緑茶に含まれるアミノ酸の一種であるテアニンのもつ免疫力を高める効果が注目され、カテキンとテアニンの経口摂取によるインフルエンザ予防効果も山田先生たちの研究グループで明らかにされました。

小学生を対象とした研究では、1日1~5杯緑茶を飲む子どもは1杯以下しか飲まない場合に比べて、インフルエンザの発症を半分に抑えられたという結果も出ています(J Nutr. 141: 1862-1870,2011)。

つまり、インフルエンザ予防には、緑茶を飲んでも良し、うがいに用いても良しということです。

「できれば両方を取り入れたほうが、より効果的だと思います。さらに、喉の細胞にウイルスが付着するのを防ぐという効果を出すためには、緑茶はこまめに摂ると良いでしょう。ワクチンや手洗いなどと併用する予防策として、ぜひ緑茶を取り入れてみてはいかがでしょうか」(山田先生)

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