モコモコ素材にご用心 肌荒れ、唇荒れを改善するには
ウェザーニュース / 2021年2月14日 10時40分
モコモコ素材や電気毛布など、寒さ対策&安眠グッズが、肌荒れやにきび、かゆみなどを引き起こしている場合もあるそうです。正しい活用法などを、野村皮膚科医院(横浜市神奈川区)の野村有子院長に教えていただきます。
モコモコ素材が原因でにきび!?
夜の睡眠は、体を休めて肌などが回復するために大切な時間です。ところが、寝心地をよくするために使っているものが、気づかぬうちに肌や唇の荒れ、にきび、かゆみなどの原因となっている場合があるといいます。
「モコモコ素材のパジャマや靴下、毛布などが、気づかぬうちに肌荒れや顎にきびなどの原因になっていることがあります。ふわふわしてかわいいし暖かいと人気ですが、静電気が起きやすく、皮膚の水分を奪いやすいのです。繊維が毛羽立っていると、唇や肌を刺激します。ちょうど、髪の毛などが肌をチクチク刺激するのと同じです。モコモコの靴下の場合は、寝ている間に湿気がたまり蒸れやすくなります」(野村院長)
ふわふわしているのに、刺激となっているかもしれないというのは驚きです。肌に直接触れるものは、綿や絹などの天然素材を選ぶのがよいそうです。
「もし心当たりがあれば、肌に直接当たらないようにしてみましょう。パジャマなら中に天然素材の肌着を1枚着用します。毛布ならふとんの上からかけたり、間に綿毛布やタオルケットなどを使うのです」(野村院長)
電気毛布やエアコンもご注意を
寒い夜は欠かせないという人も多いですが、電気毛布も注意が必要とのこと。
「よく、フライパンの上で寝るようなものですと言っています。電熱で温めているわけですから、とても乾燥しやすいのです。一晩中つけっぱなしにするのではなく、ふとんの中が温まったら消すか、タイマーなど利用しましょう」(野村院長)
エアコンも乾燥を進める原因となるので注意が必要といいます。
「どうしても空気が乾きやすいのです。加湿機能がついたものならばそれを利用し、なければ加湿器を併用して、湿度50%前後を保つようにしましょう。朝、肌がカサカサになっていて乾燥しすぎを実感する人は、濡れタオルを1枚干すのも一つの方法です」(野村院長)
ちょっとした工夫で変わることも
ちょっとした工夫で、寝ている間に肌をケアできると野村院長は続けます。
「頬などが荒れやすいなら、枕に柔らかいタオルをしくといいでしょう。首周りをバスタオルなどで巻くと暖かくよく眠れます。 “おやすみマスク”もよいですね。湿度をほどよく保ち、喉や唇、肌を乾燥から守ってくれます。口元から首周りまで覆うタイプのものもあります。
ただ、一般的な不織布のマスクは、湿気がこもって蒸れやすく、にきびなどになりやすいので、綿や絹など天然素材のものがいいでしょう。特に絹は肌触りもよく、余分な熱や湿気を放出してくれます」(野村院長)
乾燥する今の時期に、モコモコ素材の寝具などが肌荒れやにきび、かゆみなどを悪化させているかもしれません。心当たりがある人は、ここで紹介した対策を試してみてはいかがでしょうか。
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