アメリカ東海岸でトロピカル・ストームOphelia発生 バージニア州に非常事態宣言

ウェザーニュース

北米大陸の東の海上でトロピカル・ストームOpheliaが発生しました。進路に当たるノースカロライナ州やバージニア州は荒天が予想されるため、警戒を強めています。

大西洋の海面水温は平年よりも高い

アメリカ東海岸の熱帯低気圧が、日本時間の23日(土)未明にトロピカル・ストームOpheliaとなりました。

この夏は世界の平均海面水温が過去最高となり、大西洋も例外ではありません。先日、ハリケーンLeeが通過した領域では水温が低下した一方で、影響が小さかった沿岸部では平年より高い状態が続いていて、大陸に近い所でも30℃前後の高さです。

これによって陸地に近く緯度が比較的高い領域にも関わらず、熱帯低気圧が急速に発達してトロピカル・ストームになったとみられます。日本時間の23日(土)9時時点では中心気圧が984hPa、中心付近の最大風速が30m/sに達しました。

上陸後は東海岸の沿岸部を北上

進路予想（出典：米国海洋大気庁・国立ハリケーンセンター）

今後は勢力を維持したまま北上を続け、日本時間の23日(土)夕方、現地時間では23日(土)の未明～早朝にもノースカロライナ州に上陸する可能性が高くなっています。

上陸後は勢力を落とし、東海岸の沿岸部を北～北北東に進む見込みです。

すでに東海岸には活発な雨雲が広がる

風の予想

すでに外側の活発な雨雲は東海岸の広範囲にかかっていて、断続的に強い雨が降る見込みです。総雨量は多い所で200mm近くに達するとみられています。風は沿岸部を中心に30m/s以上が予想され、1～1.5mの潮位上昇を伴う高潮のおそれもあります。バージニア州知事は荒天に備えて非常事態宣言を発令しました。

また、トロピカル・ストームの北上に伴って大西洋海の北東の風が吹き込むため、ニューヨーク周辺でも風雨の強まることがある見込みです。

大西洋の熱帯低気圧

大西洋に発生する熱帯低気圧は、勢力によって呼び方が変わります。
・熱帯低気圧（トロピカル・デプレッション）：風速18m/s未満
・トロピカル・ストーム：風速18～32m/s
・ハリケーン：風速33m/s以上