★2025年1月の天体イベント★ 新年早々に流星群が出現!月や惑星にも注目
ウェザーニュース / 2025年1月2日 16時26分
1月は新年を迎えて早々に、しぶんぎ座流星群が出現のピークを迎えます。また、火星が地球に最接近して見頃になり、日の入り後には金星・土星・木星も見ることができるため、惑星にも注目です。
冷え込む季節のため、しっかりと暖かくして天体観測をお楽しみください。
しぶんぎ座流星群が見頃
2025年1月4日(土)0時頃、三大流星群の一つ「しぶんぎ座流星群」の活動が極大を迎えます。
日本では放射点(※)が高く昇ってくる4日(土)未明から明け方が一番の見頃です。今回は月明かりの影響もなく、好条件のもとで流星観測を楽しめます。
国立天文台によると、最も多く見えるのは5時頃で、空の暗い場所では1時間あたり30個程度みえる予想とのことです。
流星は放射点の方向から流れますが、放射点の付近だけでなく全天のどこにでも出現します。なるべく空の広い範囲を見渡すようにして、観測するのがおすすめです。
※放射点:流れ星(群流星)が飛び出してくるように見える天球上の点のことを差します。
細い月が金星と土星に接近
1月は日の入り後の南西の空で、宵の明星である明るい「金星」と「土星」の姿を見ることができます。
明るさは金星がマイナス4.4等~マイナス4.6等級で非常に明るく、土星は1.2等~1.3等で周りの星座の星々よりも目立つため、2つの惑星は目を引きそうです。
3日(金)から5日(日)にかけては細い月が加わります。地球照を伴った細い月と金星・土星の共演は見ものです。細い月は、3日(金)夕方から宵には金星に接近し、4日(土)夕方から宵には土星に接近します。
▼沈む時刻(東京)
3日(金) 金星 20:26 土星 21:35 月 20:04 太陽 16:40
4日(土) 金星 20:27 土星 21:31 月 21:13 太陽 16:41
金星が東方最大離角
1月10日(金)、「金星」が「東方最大離角」を迎えます。金星はマイナス4.4等級と非常に明るく、日の入り1時間後の高度は約30度(東京)です。
東方最大離角とは、地球から見て金星が太陽から東側に最も離れる現象のことを呼びます。
地球の内側を公転する金星は、見かけ上では太陽から大きく離れることがなく、日の入り後の西の空(宵の明星)か、日の出前の東の空(明けの明星)にしか現れず、真夜中に見えることはありません。
今シーズンの金星は3月の上旬頃まで夕空に姿を現したあと、3月21日(金)に内合を迎えて、4月中旬頃からは「明けの明星」として明け方の東の低空に姿を現すようになります。
▼沈む時刻(東京)
10日(金) 金星 20:34 太陽 16:46
金星と土星が接近
1月中旬から下旬頃には、夕方から宵の南西の低空で「金星」と「土星」が接近します。金星と土星の最接近は1月19日(日)未明のため、18日(土)と19日(日)の夕方から宵が最も近づいた様子を見ることができるため注目です。
金星と土星は約2度まで近づき、前後数日間は双眼鏡の同一視野内で見ることができます。
金星と土星は4月下旬頃にも明け方の空で接近します。
▼沈む時刻(東京)
18日(土) 金星 20:42 土星 20:42 太陽 16:54
19日(日) 金星 20:43 土星 20:38 太陽 16:55
月と木星が接近
2024年12月に衝(しょう)を迎えた木星は、2025年1月も引き続き見頃です。宵の頃には南の空高くに昇り、未明にかけて空を輝く姿を見ることができます。明るさはマイナス2.5等~マイナス2.7等でとても明るいため、夜空の中でも目を引きそうです。
木星のそばには冬の星座の1等星たちと「冬のダイヤモンド」も見られるため、大変賑やかな様子を楽しむことができます。
1月10日(金)から11日(土)にかけては月が木星に接近します。両者の最接近は11日(土)7時56分頃です。ふっくらとしてきた月と明るい木星の共演をお楽しみください。
▼沈む時刻(東京)
11日(土) 木星 4:12 月 4:14
火星と地球が最接近
1月12日(日)23時頃、約2年2か月ぶりに「火星」と「地球」が最接近します。火星はマイナス1.4等もの明るさで輝くため、夜空の中でも目を引きそうです。
公転周期が687日の火星に対して、地球は365日のため、約780日(約2年2カ月)ごとに火星を追い越します。このため、約2年2カ月ごとに火星と地球は接近します。
火星の軌道は楕円のため、地球と火星が接近した際の距離は約6000万kmから約1億kmまで大きく変化します。今回の接近距離は約9600万kmで、接近距離としては遠めの距離になりますが、火星と地球が今回よりも近づくのは6年以上も先になりそうです。
▼昇る時刻(東京)
12日(日) 火星 16:55
1月の満月、英語で“Wolf Moon”
農事暦における満月の呼び方
1月の月は、14日(火)7時27分頃に満月の瞬間を迎えます。
アメリカの先住民は季節を把握するために、各月に見られる満月に名前を、動物や植物、季節のイベントなど実に様々につけていました。
農事暦(The Old Farmer's Almanac)によると、アメリカでは1月の満月を「ウルフムーン(Wolf Moon/狼月)」と呼ぶようです。真冬の食糧不足を嘆く飢えた狼の遠吠えにちなんで名付けられています。
月と火星が接近
1月12日(日)に地球に最接近した火星は、13日(月)から14日(火)にかけて月と接近します。
月と火星の最接近は14日(火)12時26分頃のため、13日(月)夜~14日(火)明け方と、14日(火)夜~15日(水)明け方に月と火星が近づいた様子を楽しむことができます。
月は14日(火)朝に満月の瞬間を迎えるため、丸い月と明るい火星の共演は注目です。
▼昇る時刻(東京)
13日(月) 火星 16:49 月 15:52
14日(火) 火星 16:43 月 17:00
出典・参考
国立天文台「ほしぞら情報」https://www.nao.ac.jp/astro/sky/
国立天文台「暦計算室」https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
アストロアーツ「星空ガイド」 https://www.astroarts.co.jp/
The Old Farmers' Almanac
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