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「このチームのあるべき姿を示せた」東京Vの城福監督、原点回帰の末に総力戦で手にした4戦ぶり勝利称える

超ワールドサッカー / 2024年8月26日 7時45分

写真:©超ワールドサッカー

東京ヴェルディの城福浩監督が、原点回帰の末に総力戦で手にした4試合ぶりの勝利を誇った。

東京Vは25日、味の素スタジアムで行われた明治安田J1リーグ第28節の鹿島アントラーズ戦を2-1で勝利した。

直近3試合連続無得点で1分け2敗と苦境に立つ昇格組は、4試合ぶりの白星を目指して3位の鹿島を迎え撃った。

累積警告で出場停止のFW染野唯月を含め、DF林尚輝、MF松村優太と対戦相手から期限付き移籍加入でプレーする主力3選手を契約上の問題で起用できない苦しい台所事情のなか、戦前は苦戦必至とみられたこの一戦。

しかし、蓋を開けてみれば、球際の勝負で互角以上に渡り合った上、中央をしっかり絞めて攻撃的な相手サイドバックの背後を狙ったカウンターが機能。自分たちのペースで試合を進めた。

前半はゴールレスで終わったものの、63分に3バックの右で起用したMF綱島悠斗の意表を突く持ち上がりからのスルーパスに抜け出したFW山見大登のニア上を射抜く豪快なシュートでチーム4試合ぶりのゴールを挙げると、75分にはルーズボールに体を投げ出してマイボールにしたMF齋藤功佑のミドルシュートのこぼれを再び山見が押し込んで追加点。

その後、試合終盤の90分には綱島のハンドで与えたPKをFW鈴木優磨に決められてクリーンシートを逃すも、チーム一丸となった守備と交代選手のしたたかな時計を進めるプレーによって2-1で逃げ切った。

同試合後、城福監督は「いろいろな準備をしてきた」と相手エースを流れのなかで封じ、カウンターを軸に多くの決定機を作るなど鹿島相手に講じて嵌ったゲームプランへの満足感を滲ませつつも、「今シーズンのなかでも、本当に高いレベルを示せた」と、常日頃からチームに求めるチームスタイルを徹底できたことを称えた。

「何よりも今日は先発の選手が出し切って、バトンを受けた選手が、さらにチームの推進力を上げる。そういうバトンの受け渡しが、今シーズンのなかでも、本当に高いレベルを示せたと思います。もちろん、2-0で終われば良かったですし、3点目を取れるチャンスもあったかもしれないですが、それよりも出し切ってバトンを渡す。受けた選手の体の張り方を含めて、このチームのあるべき姿を、今日は示せたかなと思います」

得点力不足改善へ今週はクロスを中心に攻撃のトレーニングに重点を置いたなか、選手たちのポジティブな変化を感じ取っている。

「正直、この3試合でスコアはゼロでもチャンスは作れていたので、そのなかで何が足りないのかを今週突き詰めてきました。我々が足を止めずにどこに入っていくのか、それがコンマ5秒早く、ボール2個分前にというところで、実は得点にならなかったシーンで、今までは相手のセンターバックの前に突っ込んでいなかったけど、そこに突っ込んでいくシーンというのがあった。これをやり続けていれば、必ずネットを揺らせると思っていました。辛抱強く我々のやり方を変えなかったことに意味があると思っています」

さらに、ディフェンスラインの綱島の持ち上がり、ボランチの位置からボックス付近まで飛び出していった齋藤を起点に生まれたゴールシーンにも言及。とりわけ、泥臭さやハードワークが実った2点目のシーンを引き合いに出し、自身が強く求めるプレーを体現した末の勝ち点3に大きな価値を見いだした。

「あの2点目に象徴されるように、齋藤功佑が足ではなくて、体で行くというところが大事で、このチームがひょっとしたらここ何年かで一番欠けているもの。全員があれを頭から行く、体で行くというような状況、特に今日、後から入った選手も、みんなそういう姿勢を示してくれたと思います」

「テクニカルなところだけではなくて、バトルのところでしっかり体を張るというところが、成功体験として勝ち点3をもたらすことに直結したというのは、選手にとって非常に大きな経験だったのかなと思います」

総力戦と位置付けた難敵相手の一戦で、結果・内容共に大きな成果を手にした東京Vは、降格圏との勝ち点差を「10」に広げつつ暫定ながらトップハーフの10位に浮上。今節を欠場した主力3人にもいい形で刺激が与えられており、チーム内競争の激化と共にさらなる躍進を狙う。

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