“不審者の見分け方を教えない”親たちの戸惑い「子どもの安全対策」実態【パパママの本音調査】 Vol.333
Woman.excite / 2019年5月19日 10時0分
子ども自身が身の危険を感じた場合、「とにかく逃げる、ついていかない!」と伝える親が4割
イラスト:ちょっ子
子どもが成長してきて親と離れて行動することが増えると、事件や事故に巻き込まれないか、心配になります。ニュースなどで子どもが巻き込まれてしまったり、被害に遭った事件には心痛める人も多いことでしょう。
今回は、不審者への対策についてのアンケート調査から、子どもたちの身の安全を守るために、親である私たちには何ができるのか、考えてみたいと思います。
■不審者対策を子どもに伝えている親は7割
アンケートでは、子どもに不審者の見分け方を教えているかどうか聞きました。その結果、「とにかく逃げる・ついて行かないように教えている」、「教えている」と答えた人があわせて69.8%となり、約7割が不審者への対処を子どもに伝えていることがわかりました。
一方で、「不審者の見分け方がわからない」と答えた人も13.8%いて、その対策に難しさを感じている親も一定数いるようです。
とにかく逃げる・ついていかないように教えている 40.3%
教えている 29.5%
不審者の見分け方がわからない 13.8%
教えていない 11.3%
子どもに任せている 3.9%
その他 1.3%
■「逃げる、ついていかない!」これに尽きるのか?
イラスト:ちょっ子
子ども自身が身の危険を感じた場合に、「とにかく逃げる、ついていかない!」と伝えているという4割の人たちの思いを聞いてみましょう。
不審者への対策として、「ついていかないこと」「危ないと思ったらとにかく逃げること」、この2つは小学校でもよく言われていることですね。
ただどんな人が不審者なのか。どんな行動が危険なのか。これを子どもが理解することはとても難しいだろうと思います。
■「親以外は信用するな!?」不審者の見分け方に戸惑う親たち
そこで「どんな人が不審者なのか伝えている」という意見を見ていきましょう。
どの意見も、不審者がどんな人か断定するということではなくて、親の経験にもとづく情報や肌で感じる危機感によって、慎重に判断するよう促していることがわかります。
このほかにも、「知っている人でも親の許可なくついていかない」という声もあり、面識のあるなしに関わらず、できるだけ広範囲の人に警戒するように伝えている親は多いようです。
たしかに、これまで子どもが犠牲になった悲しい事件の中には、もともと面識のあった人や近所の人による犯罪もあるため、用心を重ねる親たちの気持ちにも、納得できます。
また「顔だけで不審者だとは判断はしないように伝えている」という声も見られました。「夫が作業着で公園にいたら、不審者と間違えられた」など警戒しすぎたことによる誤解が招いたエピソードも複数あり、なかなか簡単に不審者を見分けることが難しい現状が伝わってきます。
■「不審者の見分け方を子どもに教えない」その背景とは?
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「教えていない」、「子どもに任せている」と回答したのは、約15%の親たち。そして、「不審者の見分け方がわからない」と答えた人も、約14%という結果でした。あわせて約3割の人たちが、積極的に不審者の見分け方を教えていないという現状ですが、危機感を抱いていないというわけではないようです。
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どうやら、多くの親は不審者への対策を教えたいが、どう教えていいかわからないという悩みを抱えていることがわかりました。たしかに、黒づくめの服にサングラス、怪しい行動といった“いかにも”の人だけが危ないわけではありません。
どちらかというと、多く寄せられた「大人の自分でも不審者の見分け方なんてわからない」というのが本音だろうと思います。子どもにとって警戒心を抱かせない人、よく見かける人がじつは…といった場合には、親としてどう子どもにどう教えればいいのか本当に悩みます。
じつは筆者も小学1年生になったばかりの子どもに、不審者に関する話をまだしていません。それでなくても、親と初めて離れて一人で行き帰りする登下校を、不安にさせたくないという気持ちもあります。そして、素直な気持ちで道行く人たちにあいさつをしている今の様子を見ると、はたしてその子どもの良さを奪ってもいいのかと、悩む気持ちもあります。
人を信じ、親切にすることの大切さも教えたい、一方で、そうした子どもたちの善意を悪用した事件が起きているのも事実なので、悩みは深まるばかりです。
■子どもの防犯対策、親子でできることは?
それでは、子どもの安全を確保するために、親にできることとはどのようなことなのでしょうか。いくつか、コメントから得られたヒントをご紹介します。
▼不審者に出会ったら店や家に逃げこむ
© one - stock.adobe.com
逃げると言っても、自宅や学校まで離れた場所で不審者に遭遇してしまう場合もあります。店や民家に逃げこむことができるという選択肢も教えてあげると、子どもも安心できそうですよね。
全国的には「こども110番の家事業」という、子どもたちが事件や事故に巻き込まれないように、学校やPTA、町内会など地域の人たちが行っている活動もあります。事件に巻き込まれそうになったり、危険を感じた子どもが逃げ込んできたときに、安全に保護し、警察などの関係部署に連絡してくれます。
「こども110番の家事業」に参加している家、参画しているお店(コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、郵便局など)にはステッカーが店先や玄関に貼られています。
子どもには、「子ども110番の家」という役割、どんなことをしてくれるのかを伝え、通学路、散歩しているときなど、普段から子どもたちにステッカーが貼られているところを教えておくことも1つの子どもを守る策だと思います。万が一というときに子どもが行動できるかもしれません。
ちなみに「子ども110番の家」ではこんなことを聞かれるそうです。もちろん焦っていたり、緊張していたりですべて話せる子は少ないでしょう。でも日常生活のなかで伝えておけば、心に少しだけでも留めておけるのではと思います。
こども110番ってなぁに?「なにをはなしたらいいの?」
●どんなことがあったのか
●時間 場所
●犯人(不審者)の年齢 身長 体格 髪型 服装
●車 バイク 自転車等の乗り物 ナンバー 色
●どちらの方向に逃げて行ったのか
●自分の住所 名前 学校 学年 連絡先の電話番号
警察官が来るまで「子供110番の家」の人が守ってくれますので
ゆっくり落ち着いて話しましょう。
出典:静岡警察署
▼不審者に出会ったときの対処法を細かく伝えておく
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「犬がケガをしているから一緒に助けて」といった子どもの純粋で優しい心を利用することも考えられます。具体的にどのように話しかけられるか想定して、対処法を細かく伝えるというのも、親にできることかもしれません。
不審者がどのように近づいてくるかはわからないものの、よくあるケースを想定して子どもとやり取りしておくと、子どもにも伝わりそうですね。
▼停まっている車の側は通らない
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駐車している車に近づかないということは、簡単に伝えることができます。交通安全の面からも、停まっている車は突然動いて危険なので、普段から近寄らないことを徹底して教えたいところ。
▼できるだけ一人で歩かない
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筆者の子どもも小学校に入学してから、同じマンションの同学年の子たちと一緒に登下校しています。ただ、場合によっては、無理にだれかと一緒に行動するのは難しいこともあるでしょう。そうしたときも、子どもに普段から声掛けをして、できるだけ1人にならないように意識させておくことが大切かもしれませんね。
▼子どもの行動をできるだけ把握する
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子どもが大きくなってくると自立心も芽生え、親も安心感が根付いてくるため、どこまで子どもの行動を管理するかどうかというのは難しいところです。親自身の気持ちと、子どもの気持ちにもよるため、親子で話しながら、どのように見守るかそれぞれの家庭で個性が出るポイントかもしれません。
▼対処法を一緒に考えて話し合う
© milatas - stock.adobe.com
不審者への対策は、親自身も手探りで行っている現状がありそうです。子どもに降りかかる危険をすべて、親が取りのぞいてあげることは難しいかもしれません。
ただ、パパやママにもできることはありそうです。おそらく、その対策法は子どもの性格や生活環境、親の仕事や祖父母の存在の有無など、各家庭によって大きく異なると思います。
自分たちは子どもの防犯についてどのように対策をするのか、一度家族で話し合ってみるのもいいかもしれません。いつかは子どもも大人になり、自分でじぶんの身を守るすべを考える日が訪れますが、その日まで、しっかりと子どもたちを守ってあげたいですね。
Q.お子さまに不審者の見分け方を教えていますか?
アンケート回答数: 6453件
ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
(高村由佳)
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